近年、交通ルールを守らない自転車利用者の存在が社会問題の1つとなっているなかで、2024年3月に自転車にも青切符の導入が閣議決定されました。対象となる年齢や違反行為にはどのようなものが該当するのでしょうか。
■ヒヤリとする「逆走自転車」も違反対象に
近年、宅配サービスの拡大も相まって、街中で自転車を漕いでいる人をよく見掛けます。
それと同時に、交通ルールを守らない自転車利用者の存在が社会問題の1つとなっています。
特に問題視されているのは、逆走や無灯火、信号無視などの重大な違反行為です。
警察庁交通対策本部が定めた「自転車安全利用五則」では、自転車は車道の左側を通行することが原則とされています。
しかし、実際には逆走する自転車が多く、ドライバーや他の自転車利用者から不満の声が多く上がっています。
例えば「自転車の逆走が多くて危険」「無灯火で逆走されるとさらに危ない」といった声が寄せられており、逆走が事故のリスクを高めていることは明白です。
また自転車利用者自身も、「逆走している人が多すぎる」「正しいルールを守って欲しい」といった嘆きの声を上げており、自転車利用のルール違反に対する認識が深刻化しています。
自転車は免許が不要で誰でも簡単に利用できるため、交通ルールに対する意識が低くなりがちですが、それが事故を招く一因となっているのです。
このような状況を受け、警察庁は自転車の交通違反に対する取り締まりを強化。
特に注目されているのが「青切符」の導入です。
青切符とは、交通違反を犯した自転車運転者に対して警察が発行する違反通知書で、反則金が科される仕組みです。
反則金は5000円から1万2000円程度で、対象となるのは16歳以上の自転車利用者です。
この年齢が設定された理由は、16歳以上であれば最低限の交通ルールを理解していると考えられているためです。
青切符の対象となる違反行為は、信号無視、逆走、携帯電話の使用、一時停止無視、歩行者の進路妨害など、112種類に及びます。
また、イヤホンを着用したまま運転したり、ブレーキの効かない自転車を使用したりする行為も対象です。
これらの違反行為は、事故を引き起こすリスクが高く、警察は青切符を通じてこれらの行為を厳しく取り締まる方針です。
特に、無灯火やイヤホンをつけたままの運転は、事故のリスクを著しく高める行為であり、多くの事故がこれに関連しています。
こうした違反行為に対する取り締まりを強化することで、自転車利用者の安全意識を高め、事故の防止につなげようとしています。
青切符の導入は2024年3月に閣議決定されており、正式な施行日は未定ですが、2026年頃までに開始される見込みです。
この制度が導入されれば、自転車利用者に対する取り締まりはさらに強化され、交通ルールを遵守する意識が高まることが期待されています。
また、自転車の交通ルールを守る意識を子どもの頃から育てることも重要です。
自転車は通学手段としても広く利用されており、交通事故を防ぐためには、小学生の段階から交通ルールをしっかりと教育する必要があります。
特に、自転車の逆走や無灯火といった違反行為が大事故につながる可能性があることを子どもたちに理解させることが、将来的な交通安全にとって非常に重要です。
自転車の交通違反を厳しく取り締まることで、利用者の意識改革が進むことが期待されています。
青切符の導入は、その一環として自転車利用者に交通ルールを再認識させ、安全な交通環境を作り上げるための重要なステップとなるでしょう。