2024年9月20日にスズキは新型「スペーシアギア」を発売しました。新たな軽スーパーハイトワゴンの実車を見た印象はどうだったのでしょうか。
■スペーシアにはない専用装備が満載の新型「スペーシアギア」
スズキは2024年9月20日に軽スーパーハイトワゴンの新型「スペーシアギア」を発売しました。
広い室内空間とアクティブなスタイルが特徴的な同車ですが、実車を見た印象はどうだったのでしょうか。
スペーシアギアといえばスズキの人気スーパーハイトワゴン軽自動車「スペーシア」をベースにSUVテイストに仕立てたモデルで、初代登場は2018年12月。
スーパーハイトワゴンベースのクロスオーバーSUVはそれまでどのメーカーにも存在しなかったので「その手があったか!」とアイデアに感心したものでした。
そのスペーシアギアの方向性は多くの人に刺さり、標準車やカスタムに続くスペーシアの3本目の柱としてヒット。
その後、ダイハツ「タントファンクロス」や三菱「デリカミニ」、そしてホンダ「N-BOX JOY」とライバルたちが続々登場したのはご存じの通り。
もはや定番のカテゴリーになりつつあるなかで、本家のスペーシアギアが2世代目にフルモデルチェンジしたというわけです。
そんなスペーシアギアは標準のスペーシアとどう違うのでしょうか。
違いは「見た目」「インテリア」そして「機能」の3つのポイントから探るとわかりやすいでしょう。
まずは見た目。なんといっても丸いヘッドライトが特徴です。
実はこの丸いヘッドライト(ウインカーも)は、ある人気車種と同じものなのですが、それは後ほど。
フロントはグリルやバンパーも標準車やカスタムとも異なる“ギア専用”。
縦スリットのフロントグリルは「ジムニー」っぽい雰囲気ですが、それは意図的なものだそうです。
フロント以外にも、サイドではルーフレールやサイドドアガーニッシュ(ドア下部にある樹脂部品)、そして車体下にあるサイドアンダーガーニッシュやアルミホイールなどが専用アイテム。
リアのバンパーも専用デザインです。
ちなみにルーフレールは、見た目だけのアクセサリーではなくルーフキャリアなどを装着するのに使う実用品となっています。
インテリアはダッシュボードやドアトリムに添えたカーキグリーンのガーニッシュ、撥水処理に加えて立体的な処理でタフさを強調したシート表皮がギアの専用アイテムで、アウトドアレジャーに対応しています。
また、前席背もたれ上部のポケットがネットだったり、メーター右側の液晶の周囲が丸い縁取りになっているのも、アウトドアアイテム的なギアだけの専用演出です。
加えて、標準車には設定されない本革巻きステアリングが備わるほか、ステアリングヒーターが組み込まれるなど、装備が標準車に対して充実。
ほかにも電動パーキングブレーキや高速道路における渋滞時の停止保持機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)など「カスタムにはあるけど、標準車には設定がないアイテム」が採用されているのも注目すべきポイントでしょう。
標準車にない注目アイテムといえば、ターボエンジンの設定もそう。
標準車は自然吸気エンジンだけの設定ですが、ギアはカスタム同様にターボエンジンが選べるのです。
これはけっこう魅力に感じる人も多いでしょうね。
ターボエンジンは動力性能にゆとりが増すので、高速道路や峠道を走るのなら選択がオススメ。
ひとことでいえば、遠くへ出かけるような使い方をするなら断然ターボエンジンがいいでしょう。
動力性能に余裕があるから自然吸気エンジン車と同じ加速度なら加速時のエンジン音も静かだし、グッと加速してくれるので運転していて疲れないのも魅力です。
ちなみに駆動方式は、自然吸気エンジンとターボエンジンの両方でFFと4WDを選択可能。
キャンプをガンガン楽しむ人は、濡れて滑りやすい未舗装路でもスタックしにくい4WDだと安心です。
ところで、丸いヘッドライトはスペーシアギアの特徴。
新型でもそこは変えることなく受け継がれました。
ここだけの話、ヘッドライトやウインカーは先代と共通部品ですが、同じ部品を使う車種はスペーシアギアだけではありません。
なんと、あのジムニーと同じライトなのです。
正確に言うと裏側の取り付けステー形状などが若干異なるので「まったく同じ部品」ではありませんが、灯体自体は同じもの。
顔がジムニーっぽいのは偶然でも何でもないのです。