日産がかつて展開していた前席に3人座ることができるワゴン「ティーノ」に、ネット上では多くの反響が寄せられています。
■最大6人乗りの日産「ティーノ」に反響集まる!
1999年に登場した日産「ティーノ」は、現在のハイトワゴンやミニバンブームが訪れるよりも前に、斬新なレイアウトとデザインを持ったユニークな車種として注目を集めました。
家族向けとして人気のある広々とした車内空間と多用途に対応できる実用性が売りの「ハイトワゴン」が一般的になる前、ティーノは少し異なるアプローチで多くのユーザーの興味を引き、現在でもネット上で多くの意見や反響が寄せられています。
ティーノの特徴は、全長4270mm×全幅1760mm×全高1610mmというコンパクトなボディサイズながらも最大6人乗車できる広い室内空間で、当時の市場では珍しかった利便性と取り回しの良さを実現しています。
これは、現在のトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」に近いものがあり、都市部での運転に適したサイズ感です。
特に丸みを帯びたバンパーや、日産の特徴的なウインググリルを取り入れたエクステリアデザインは、ヨーロッパ車を彷彿とさせるスタイリッシュさを持ち、多くのユーザーに好評でした。
インテリアもまたユニークで、「5+1」といった座席配置が採用されていました。
これは前列に2人+1人が座れるレイアウトで、後列には3人が座ることができ、最大6人まで乗車可能という仕様です。
このコンセプトは家族向けに限らず、商業用途やアウトドアシーンにも柔軟に対応できる点が大きな利点でした。
また、後部座席は工具を使わずに簡単に脱着でき、荷物をたくさん積む必要がある場面でも対応できる利便性が評価されていました。
パワートレインには、2リッター直列4気筒エンジンとCVT、または1.8リッター直列4気筒エンジンと4速ATの2タイプが提供されており、ユーザーは好みに応じて選ぶことができました。
さらに2000年には、日産初のハイブリッド車「ティーノ ハイブリッド」が限定100台で発売。
モーターと燃費効率の良いエンジンを組み合わせたこのモデルは、10・15モード燃費で23km/Lという当時としては驚異的な燃費性能を実現し、環境に配慮した車としても注目を浴びました。
しかし、市場の変化とともに、ティーノは次第に競争力を失っていきます。
2000年にマイナーチェンジで5人乗り仕様が追加されたものの、同時期に2列シート5人乗りや3列シートで6人または7人が乗れる新しいコンパクトカーやミニバンが次々と登場し、消費者の選択肢が増えたことにより、ティーノは徐々に影を潜めることになりました。
結果的に、ユニークな6人乗り仕様は2002年のマイナーチェンジで廃止され、その後、2003年には生産が終了しました。
ティーノはわずか約4年間の短命に終わったものの、その独自のコンセプトや柔軟なシート配置は、今でも根強いファンが存在します。
ネット上では「ティーノのような使い勝手の良いクルマがまた登場してほしい」という声が多く見られ、当時のユーザーからは「独自のスタイルがとても魅力的だった」「6人乗りという設定が本当に便利だった」といった意見も寄せられています。
さらに「ティーノのデザインは時代を先取りしていた」という評価や、「ハイブリッドモデルの登場は、日産がいち早く環境を意識した取り組みをしていた証拠だ」というポジティブな反響も見られます。
市場の変化に飲まれ短命に終わったティーノですが、その革新的な試みは今なお多くの人々の記憶に残り、再び同様のクルマが登場することを待ち望む声が高まっています。