従来のセンチュリーセダンの伝統を受け継ぎつつ、時代のニーズに応じた進化を遂げている「センチュリーSUV」ですが、2024年1月に屋根なしの斬新なモデルが公開され話題となりました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■屋根なしの特別な「センチュリーSUV」とは?
トヨタ「センチュリー(SUV)」は、2023年9月に発表された高級SUVで、従来の「センチュリー(セダン)」の伝統を受け継ぎつつ、時代のニーズに応じた進化を遂げています。
そんな同車ですが、2024年1月に屋根のない斬新なセンチュリーSUVが公開され話題となりました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
「センチュリー」は1967年の誕生以来、日本の高級車市場における象徴的存在であり、特に要人や著名人が専属ドライバーに運転を任せる「ショーファーカー」として長年支持されてきました。
しかし、これまでのセンチュリーはセダンタイプのみであり、SUVタイプが登場したのはごく最近のことです。
ボディサイズは全長5205mm×全幅1990mm×全高1805mm、ホイールベースは2950mmと、日本の乗用車のなかで最大級のサイズ感を誇ります。
これまでのセダンとは一線を画す大胆なデザインと機能性を備えており、特に上級ユーザーに向けたパーソナライズ性が特徴です。
くわえて、オーナーが自ら運転する楽しさも提供することを目指しています。
さらに、センチュリー歴代初となるプラグインハイブリッド技術が搭載され、持続可能なモビリティの未来を見据えたモデルとしても評価されています。
そんなセンチュリーSUVをベースとした特別なモデルとして、2024年1月に「センチュリーパレードカー」が公開されました。
トヨタは2023年1月より日本相撲協会とサステナビリティパートナー契約を締結しているなかで、同車は2025年の大相撲100周年記念を前に、日本相撲協会が優勝力士パレードで使用する目的で製作されました。
パレードカーに関して、当初は現行「クラウン」がベース車両として考えられていましたが、トヨタの豊田章男会長と宮城野親方(元横綱・白鵬)の会話のなかで、「パレードカーに相応しいのはトヨタのフラッグシップモデルではないのか」などといった会話がきっかけとなり、センチュリーがベースとして選ばれたといいます。
このセンチュリーパレードカーは、世界に1台しか存在しない非常に特別なモデルです。
白を基調とした内外装が特徴で、屋根を持たないオープンボディがその独自性を際立たせています。
通常のパレードカーに見られる金属製の手すりはなく、代わりにシートサイドに厚みを持たせて、パレード主役の姿をより美しく引き立てる工夫が施されています。
このような細部に至るまでの設計が、センチュリーのプレミアム感を強調しています。
実際にセンチュリーパレードカーは、2024年1月に両国国技館(東京都墨田区)で行われた大相撲初場所の千秋楽で使用され、4場所ぶり9回目の優勝を果たした横綱・照ノ富士が搭乗。
初めてセンチュリーパレードカーに乗った優勝力士として、歴史に名を刻みました。