エンジンのダウンサイジング化が当たり前になった現在、大排気量・多気筒エンジンを搭載する乗用車は希少な存在です。そんなモデルの代表格であるレクサス「IS500」には、現在でもさまざまなコメントが寄せられています。
■今の時代に「V8・NA」搭載 もう二度と出てこないか
燃費性能やクリーンな排気ガスの追求などから、大排気量・多気筒エンジンを搭載する乗用車は2000年代中頃から大幅に減少。しかし、現在でもごく一部のモデルに残っているのです。
そんな「時代に逆行」したロマンあふれるモデルの代表格として、レクサス「IS500」がありますが、登場から現在に至るまでも、SNSなどではさまざまな反響が寄せられています。
大排気量・多気筒エンジンの魅力は、豊かなトルクからくる強大なパワーと余裕、マルチシリンダーが奏でるサウンド、滑らかな回転フィールなどが挙げられます。
特に、重量のある車重をもつ大型モデルではなく、コンパクトセダンなどに搭載される例もあり、そうしたモデルは「羊の皮を被った狼」などとも評されていました。
しかし、現在は大型モデルであってもエンジンの効率化が進み、少ない排気量でパワーを絞り出す4気筒+ターボチャージャーなど、小排気量に過給器などを組み合わせるユニットが主流になりつつあります。
そんななか、ごく少数ながらもこうした大排気量・多気筒でロマンあふれるユニットを搭載する最新モデルも設定されています。そのひとつがレクサス「IS」に設定されるIS500です。
ISは1999年に登場しました。日本では「アルテッツァ」として販売されたミディアムFRセダンシリーズです。
主に北米などに向けたラグジュアリーなスポーツセダンとしてのポジションを確立しましたが、2代目からは国内でもレクサスブランドの展開を開始したことにより、日本でもISの名称を使い、さらに上質志向のモデルとして販売を開始しています。
現行型は3代目で2013年に登場。最新モデルは2020年11月に実施されたビッグマイナーチェンジモデルです。
このうちIS500は2022年7月にラインナップに追加設定される形で加わったハイパフォーマンスモデル。最大の特徴は5リッターV型8気筒自然吸気エンジン「2UR-GSE」を搭載。これに8速ATを組み合わせ、最高出力481馬力・最大トルク535Nmを発揮します。
さらに、ブレーキも大径ローターを採用したことや、フロント・リアに「パフォーマンスダンパー」を搭載。AVS(電子制御サスペンションシステム)やEPS(電動パワーステアリングシステム)にも専用チューニングが施されています。
エクステリアでは、ボンネットやフロントフェンダー、前後バンパーガーニッシュなどの意匠が変更され、4連マフラーやブラックブレーキキャリパーなど専用装備が装着され、強大なパワートレインに対応し、全身にわたって戦闘力の向上を図っています。
レクサスには2ドアクーペ「RC」をベースにした「RC F」や「LC」など、同型エンジンを搭載するハイパワーなモデルをすでにラインナップしているものの、4ドアの標準的なモデルに突如追加されたとあって、登場当初は大きな話題になりました。
登場から2年が経過した現在でもSNSなどではハイパワーモデルを好むユーザーからさまざまな反響が寄せられています。
特に、「この大きさのFRセダン自体もう希少な存在と言って良いかもしれない」「こういう車が好きな人は買っておいたほうが良いかも」「今の時代にこんなロマンあふれるクルマはないでしょう」「存在自体があっぱれです」など、比較的コンパクトな車体に自然吸気の大型ユニットを搭載すること自体、非常に珍しいとする意見が多数見られます。
また、「V8エンジンの音は、野獣のような低い音の中に、僅かに高い音が混ざっているあの感じが好きだったんです」「IS500、V8の音やべえ」「500Eを思い出す」と、自然吸気V8エンジンの魅力に取りつかれた人や、かつての欧州ハイパフォーマンスセダンを思い出したという人も。
さらに、「めちゃくちゃ楽しいクルマです!」「IS500は本当に良い車です。是非、乗ってみてください!」など、実際のオーナーとみられるユーザーがIS500を楽しんでいる投稿も見られました。