関西エリア東部の「新たな南北軸」として計画されている高規格道路「名神名阪連絡道路」。いよいよ具体的検討が本格化していきそうです。
■滋賀~三重を縦に直結
関西エリア東部の「新たな南北軸」として計画されている高規格道路「名神名阪連絡道路」。いよいよ具体的検討が本格化していきそうです。
滋賀県は2024年9月20日、概略ルートを決定するプロセス「計画段階評価」を開始するため、資料作成やマネジメントを行うためのコンサルタントの発注準備を始めました。
名神名阪連絡道路は、その名のとおり「名神高速」と「名阪国道」を縦に連絡します。
ざっくりとした構想ルートは、名神の八日市IC、新名神の甲賀土山IC、名阪国道の上柘植ICがつながるというもの。
完成すれば、関西エリア南部から北陸方面へ、無駄のない直結ネットワークが誕生することとなります。現状の一般道路はそびえ立つ山岳地帯のおかげで、急峻な峠道ばかりの状況。走りやすい幹線道路は皆無でした。ここに「ノンストップ道路」があれば、関西~北陸の重要な物流ルートが確保されます。
物事が大きく動いたのは2022年4月、国がこの未開通の道路を「重要物流道路」に追加。事業化に向けて一気に機運が高まることとなりました。
そして2023年には地元である滋賀県と三重県でそれぞれ住民アンケートや地元説明会、パネル展示などを実施。しかし概略ルート案を絞り込むには至らず、話が進んでいるのかよくわからないまま、2024年を迎えていました。
肝心なのが概略ルートを決定する「計画段階評価」ですが、今回のコンサルタント発注公告で、いよいよその始動が見えてきた形です。
ところで、名神名阪連絡道路の構想自体は、名阪国道からさらに南へ約17km伸びるとされています。最終到達地点は、三重県伊賀市の国道165号。この道路は大阪~大和高田~橿原~津をつなぐ東西軸であり、近鉄大阪線が並行しています。ここまで到達すれば、より「関西の背骨」としての機能が強化されることとなります。