日野自動車は「デュトロ Z EV」を一部改良し発売しました。
■物流現場での使い勝手を向上
日野自動車は2024年9月18日、小型BEVトラック「デュトロ Z EV」を一部改良し発売しました。
デュトロは1999年に登場した小中型トラックシリーズです。現行型は2代目で、2011年7月に発売。「ヒノノニトン」というキャッチーなCMを打ち出し、一般ユーザーからの知名度を向上しています。
このうちデュトロ Z EVは2022年6月に追加された車型で、物流におけるラストワンマイル輸送に向けたEV仕様となっています。
日野自動車は2013年5月から西濃運輸と協業してEV小型トラックの実証実験を行っており、この結果をもとに開発されました。
シャシには従来のトラックとは異なる、新開発のBEV専用シャシによる超低床構造を採用。
エンジンとトランスミッションの代わりに小型モーターをキャブ下に搭載し、前輪駆動としたほか、バッテリーを荷台床下のフレームの内側に搭載し、それ以外の電動ユニットはほとんどキャブ下に収めたことで、荷役作業性や乗降性に優れ、ドライバーの負担軽減を実現しています。
また、普通免許で運転可能なコンパクトな車体としつつ、必要な荷室・荷台空間を確保し、主に市街地での宅配に最適なつくりとなっています。
ボディサイズは全長4695mm×全幅1695/1925mm×全高2290/2480mmで、ラインナップにはスライドドア付きの「ウォークスルーバン」と「アルミバン」を用意します。
最大積載量は1000kg/1050kgで、車両総重量はいずれも3500kg以下です。
パワートレインは50kW(約67馬力)のモーターに40kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、一充電走行距離は150km(WLTCモード)を実現。充電は普通充電のほか、CHAdeMO方式による急速充電にも対応しています。
先進運転支援システムでは、プリクラッシュセーフティシステムや誤発進抑制機能、車線逸脱防止機能などを備え、市街地での配達運用時の安全性を確保しました。
今回実施された改良は、装備などを見直したことで使い勝手を高めています。
ウォークスルーバンでは、荷台後扉にスマートエントリーシステムを採用。荷台開閉時の手間を軽減。さらに、車両後方への普通充電口を新規オプション設定し、使用環境に合わせて充電のしやすさを高めています。
このほか、ルームミラーモニターの表示設定変更やスイッチのレイアウト変更なども実施されています。