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高速道路「熱海ルート」いよいよ概略ルート選定へ!? 小田原~三島つなぐ「伊豆湘南道路」計画が“一歩手前”まで進行中 海沿いの「大渋滞区間」どう変わる

くるまのニュース 2024年9月26日 16時40分

高速道路「熱海ルート」いよいよ概略ルート選定へ!? 小田原~三島つなぐ「伊豆湘南道路」計画が“一歩手前”まで進行中 海沿いの「大渋滞区間」どう変わる

■神奈川~静岡に新ルートの高規格道路

 神奈川~静岡の県境をまたぐ山岳地帯に、新たな高規格道路「伊豆湘南道路」の整備検討が進められています。
 
 完成すればどう便利になるのでしょうか。また、話はどこまで進んでいるのでしょうか。

 両県をまたぐ東西軸は「東名高速」が山北・御殿場経由で、箱根の北側をぐるっと周っています。将来的には「新東名高速」も並行して開通予定です。

 いっぽう、鉄道は小田原から海岸線沿いに南下し、熱海からトンネルで山地を一気に抜けて、三島・沼津へ到達するルートです。

 ここには、主要道路ネットワークは存在しません。「西湘バイパス」は小田原の先で終点となり、あとは国道135号を走るのみです。バイパスといえば途中に有料の「真鶴道路」「熱海ビーチライン」があるくらいで、残りは2車線道路。レジャー期間は大渋滞に悩まされています。

 また、小田原~真鶴~熱海~伊東エリアにとって「伊豆半島の背骨」が立ちはだかり、三島方面へ抜けるとなると、箱根峠や熱海峠など、どうしても峠越えが必要で困難を伴います。

 そこで、小田原~熱海~三島方面を高規格化し、地域間移動をスムーズにして防災機能を強化するとともに、熱海など観光地エリアの混雑を緩和し、他地域とのネットワーク化を図るのが「伊豆湘南道路」です。

 完成すれば、東名・新東名が通行止めになった際の代替機能や、単純に神奈川・静岡間の交通容量の増大としても期待がかかります。

 ルートは「ざっくりと小田原~熱海~伊豆縦貫道」という想定があるのみで、具体的にどこを抜けていくかは、これから詰めていくことになります。とはいえ、国道135号のように「海岸線ギリギリ」に走ることはなく、災害への強靭性を考慮して、ある程度の山側に整備されると思われます。

 さて、伊豆湘南道路が最終的に「事業化」に至るまで、最初のプロセスとなるのが、概略ルートを決定する「計画段階評価」です。

 計画段階評価は、1回目の地域アンケートを元に3つ程度の「ルート案」に絞り込み、2回目の地域アンケートで最終の「概略ルート」を決定します。専門の「神奈川と静岡の県境をまたぐ道路(伊豆湘南道路)に関する委員会」が協議し、どういった判断軸でルートを決定するかなどを話し合います。

 話はどこまで進んだのでしょうか。まず、1回目の地域アンケートは2021年9月に終わりました。最新の動きは、5月13日に開催された「第3回」委員会です。

 ここでは伊豆・湘南エリアを取り巻く状況が整理完了。いよいよ「次回の委員会で、ルート複数案や評価項目を設定し、IC設置箇所の基本的な考え方を詰める」という所まで到達しました。

 あとは伊豆湘南道路の必要性や国の政策上の位置づけを整理完了させるほか。「この山岳地帯に長大トンネルを通すのが、技術的に本当に可能なのか」という検証が進められていくことになります。

 付近を抜けるJR東海道本線の「丹那トンネル」は16年の月日がかかる難工事になりました。いっぽう東海道新幹線の「新丹那トンネル」建設時は、過去の知見を活かして比較的スムーズに工事が進んでいます。

 とはいえ同委員会は「丹那盆地には依然として配慮すべき地質リスクが存在する」としており、検討が必要だと述べています。

 こうして、概略ルート決定プロセスの「一歩手前」まで迫った伊豆湘南道路。次の委員会がいつになるのか、今年中に開かれるのか、あるいは来年度へ持ち越しになるのかはまだ未確定ですが、今後の動向にいっそう注目です。

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