タイヤのトレッド面を見ると、大小さまざまな石がはさまってしまうことがあります。かんたんに手で取れるものもありますが、なかには深くはさまったり刺さっていることもあり、強引に取り除いても良いのでしょうか。
■タイヤにはさまった「小石」どうすりゃいい?
クルマの運転中に「カチカチ」という異音がしたり、停車中にタイヤのトレッドを確認したときに石がはさまっているのはよくあることです。
手で取れるものも多いのですが、なかにはサイズは大きかったり鋭利な形状で深くはさまったり刺さっているようなものもあります。
タイヤに石がはさまったときは、どのように対処すべきなのでしょうか。タイヤ専門店スタッフのS氏に聞いてみました。
「走行中に異音の原因となった手で取れる程度の小石は、走行にも影響がほとんどありませんし、走行を続けるうちに自然に取れるケースもあります。
ただ、常にカチカチと音が鳴っていると気になってしまうでしょうし、走っているうちにどんどん奥にはさまってしまう可能性もあります。
小石などの小さなものは自分で取り除いても大丈夫です。タイヤに異物がはさまっていないか、ときどきチェックしてみてください」
小石除去で使えるのが「マイナスドライバー」です。溝にはさまった小石の下に先端を潜り込ませ、テコの原理で取り除けばOK。
ただしマイナスドライバーの先端は両端が尖っている場合もあり、無理に差し込んでタイヤを傷めないように注意しましょう。
「『ストーンリムーバー』と呼ばれる、はさまった小石除去用の専用ツールもあります。鋭すぎず、かつアールがついた半円状の先端となっており、細かいものから比較的ガッチリはさまった小石でも除去することができます。
市販価格は2000円以下ですし、特にオフロード走行など小石を挟みやすい道を走ることが多い人は、1本持っていても良いかもしれません」(タイヤ専門店スタッフ S氏)
また、先端が細くなる「ラジオペンチ」も小石を挟んで取り除くことができますし、同じようにテコとして使うこともできます。
またラジオペンチなら、鋭利な形状の石や釘やなどが刺さっているものの除去にも有効ですが、タイヤに穴があいていた場合、抜き取ることで徐々にエアが抜けてパンク状態になってしまう可能性も否定できません。
「タイヤに異物が刺さっている場合は、自分で対処しようとするよりディーラーやタイヤショップ、整備工場などに持ち込んで相談してください。
タイヤの空気が徐々に抜けていく『スローパンクチャー』の状態で走ってしまうと、偏摩耗どころかホイールを傷つけたりアライメントが狂う原因にもなります。
そうならないために、刺さった状態のままで早めにプロに任せる方が補修費用も安く済むと思います」(タイヤ専門店スタッフ S氏)
それでも、強引に引き抜いてタイヤに穴があいてしまった場合はどう対処すべきなのでしょうか。
「最近ではスペアタイヤの代わりに、修理剤を注入し穴を塞ぐ『パンク応急修理キット』を搭載するクルマが増えていますので、これを活用すると良いでしょう。
ただし、パンク応急修理キットは、修理剤に含まれる天然ゴムが、注入後に走行することで圧縮と熱が伝わり穴を塞ぐように固まるものなので、完全にエアが抜けてしまった場合はうまく作用しません。
その場合は、ロードサービスを呼ぶか、または近くのガソリンスタンドなどに助けを求めるのも手です」(タイヤ専門店スタッフ S氏)
パンク修理剤で補修ができなかったら、新品タイヤに交換することになります。
まずは自分で取り除けるレベルの石なのかを見極めることが重要になりそうです。
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タイヤにはさまった小石は取り除くほうが良さそうですが、ガラスの破片や金属片などタイヤを傷つけてしまうものを踏んでしまうこともあります。
特に長距離走行の前や帰宅後など、タイヤに異物がはさまっていないかチェックすることを習慣にすると、異変にすぐ気が付けるでしょう。