これまで運転免許更新の際には、運転免許センターや警察署などの窓口で手数料分の「収入証紙」を購入する必要がありました。しかし最近は収入証紙の代わりに免許更新手数料をキャッシュレス決済で支払える都道府県警察が増えています。また警視庁などでは、2024年4月から駐車違反をした際に納付を求められる「放置駐車違反金」を「PayPay請求書払い」で支払うことが可能となっています。これらによりどのようなメリット・デメリットが出ているのでしょうか。
■免許更新手数料、放置駐車違反金がキャッシュレス決済で支払い可能に!? ポイントが付くって本当?利用者からの反響は
各種支払いに便利なキャッシュレス決済ですが、都道府県によっては運転免許の更新手数料の支払いにも利用できます。
また一部の都道府県では「違反金」をPayPayで支払いことが可能なようです。
では、一体どのようなキャッシュレス決済が使えるのでしょうか。
これまで運転免許更新の際には、運転免許センターや警察署などの窓口で手数料分の「収入証紙」を購入する必要がありました。
収入証紙は昭和30年代頃から導入された地方自治体が発行する金券の一種ですが、最近は収入証紙の代わりに免許更新手数料をキャッシュレス決済で支払える都道府県警察が増えています。
たとえば警視庁では、免許更新手数料の支払いに「クレジットカード(1回払いのみ)」、SuicaやPASMO、楽天Edyなどの「電子マネー」、PayPayやd払い、楽天ペイなどの「QRコード決済」といったキャッシュレス決済を利用できます。
大阪府警や千葉県警、愛知県警、福井県警などでもすでにキャッシュレス決済が導入されているほか、これから導入を予定している都道府県も多く、今後キャッシュレス決済が全国警察に普及していくものとみられます。
なお利用できるキャッシュレス決済の種類は都道府県によって若干の違いがあるため、免許更新の際は事前にキャッシュレス決済の使用可否や、キャッシュレス決済の種類などを管轄の警察ホームページで確認しておくと良いでしょう。
免許更新手数料の支払いにキャッシュレス決済が利用できることについてSNS上では「楽天ペイで支払ったらポイントがついた。嬉しい」「PayPayスクラッチくじは対象外だけどポイントが付くから現金払いよりもお得」など、利用者から喜びの声が複数寄せられています。
その一方で、「クレジットカードや電子マネーなどを持っていない人はどうするの?」「高齢者の免許更新のハードルが上がってる」といった疑問や指摘も聞かれました。
実際はキャッシュレス決済を導入している警察のほとんどで現金決済が可能であるため手続きに大きな支障はないとみられます。
一方で埼玉県警では手数料の支払いが原則キャッシュレス決済に限定されており、埼玉県で免許更新をする人からは不安の声も上がっています。
■キャッシュレス決済可能な手数料21種類? さらに違反金をPayPayで払える? ほんと?
手数料の支払いが原則キャッシュレス決済に限定されていることに関して、埼玉県警のホームページでは、あらかじめキャッシュレス決済手段を用意するよう呼びかけた上で、次のように説明しています。
「窓口でキャッシュレス決済の対応が難しい方については、コンビニエンスストアや金融機関等で、現金でお支払いいただくことも可能ですが、県民の皆様の時間や手間を要してしまうため、事前にキャッシュレス決済手段を御用意ください」
つまりコンビニや金融機関での振り込みであれば現金が使えるものの、キャッシュレス決済と比較すると移動・手続きの時間や労力を要するといえるでしょう。
また手数料の支払いにキャッシュレス決済を利用する際の注意点として、現金とキャッシュレス決済の併用はできないこと、スマートフォンの決済アプリを利用するときに通信費がかかることが挙げられます。
加えて警察施設では電子マネーのチャージ(入金)ができないため、電子マネーを利用する際には事前に残金を確認しておくことが大切です。
そのほか警視庁においては、2024年4月から駐車違反をした際に納付を求められる「放置駐車違反金」を「PayPay請求書払い」で支払うことが可能となっています。
従来はコンビニや銀行などの窓口に納付書を持参して支払う必要がありましたが、この支払い方法の導入によりスマートフォンを使って簡単に納付手続きが完了します。
PayPay株式会社によると、兵庫県警や山口県警、千葉県警、埼玉県警においても同じ方法で放置駐車違反金を納付できます。
現在各種手数料の支払いにキャッシュレス決済を導入していない警察でも、これから順次導入されることが予想されます。
高齢者世代ではいまだキャッシュレス決済が普及していない状況にあり、高齢者に対してどのように周知するか、現金決済手段を残すかなどの点が今後課題となるかもしれません。