欧州でトヨタは「プロエース」という商用バンを販売しています。日本にはないモデルですが、どのような特徴があるのでしょうか。
■スタイリッシュな商用バン「プロエース」とは
トヨタの商用バンといえば「ハイエース」が知られていますが、欧州では「プロエース」というモデルが販売されています。
設計・生産はプジョーやシトロエン、フィアットなどを傘下に持つステランティスグループが行っており、トヨタへはOEM車として提供されます。
プロエースのプラットフォームをはじめとする基本構成は、シトロエン「ジャンピー」や、フィアット「ウリッセ」の商用車と同様。エンブレムやフロントマスクなどのデザインで差別化が図られています。
現行型は2016年に登場した2代目モデル。従来よりもバンパーの開口部を拡大するなど改良が加えられ、最新のプロエースではフロントフェイスのデザインから大きく刷新されました。
商用仕様のプロエースのバンパーは黒い樹脂素材が用いられた一方、乗用仕様の「プロエースヴァーソ」では開口部以外のパーツをボディ同色とし、よりスタイリッシュなデザインを実現しています。
ボディサイズは全長4959mm×全幅1920mm×全高1899mm。全長5330mm×全幅1920mm×全高1940mm、ホイールベース3275mmのLWB(ロングホイールベース)仕様もラインナップされます。
シートのレイアウトは、1列シート3人乗り、2列シート6人乗り(3+3)、3列シート8人乗り(2+3+3)、3列シート9人乗り(3+3+3)が用意されます。
プロエースLWBのパワーユニットは、最高出力145hpまたは180hpの2リッターディーゼルエンジンが搭載され、トランスミッションは6速MTと8速ATが設定されます。
さらにモーターを搭載するEV(電気自動車)も存在。バッテリー容量75kWhのモデルで350kmの航続走行が可能です。
なお、プロエースにはほかにもバリエーションがあり、小型バンの「プロエースシティ/プロエースシティ ヴァーソ」や大型バンの「プロエースマックス」が欧州各国で販売されています。
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そんなプロエースに対して、SNSにさまざまな反響が集まっています。
「このクルマほしい」「いいなぁ」「欧州のプロエースの方が見た目がオシャレ」「プロエースEV普通に欲しいんやけど」など、スタイリッシュな商用バンとして注目されているほか、日本のハイエースにはないEV仕様に興味を持つ人もいました。
一方で、「サイズは日本じゃ大きすぎでは?」「プロエースは良いと思うけど日本の道路環境を考えると取り回しがキツそう」といったコメントも存在。
ハイエースのボディサイズは、例えばロングボディ・標準幅・標準ルーフ仕様の「スーパーGL」は全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mm、ホイールベース2570mmと、全長・全幅はコンパクトにまとめられています。
それに比べるとプロエースはかなり大きなボディとなっており、広い荷室を確保するいっぽうで、狭い道も多い日本で運転する場合の取り回し性を懸念する声が寄せられました。