かつてマツダは本格的な「軽自動車枠のクロスカントリー車」を販売していました。現在は存在しないそのクルマは、一体どのようなモデルだったのでしょうか。
■マツダの本格「軽クロカン車」がスゴイ!
マツダのラインナップには、かつて本格的な「軽自動車枠のクロスカントリー車」が存在しました。
一体どのようなクルマだったのでしょうか。
その軽クロカン車は、マツダが1998年から2014年まで販売していた「AZ-オフロード」です。
骨格には強度と耐久性に優れたラダーフレームを採用し、これに小型で軽量なボディ、リシッドアクスル式のサスペンション、大径タイヤなどを組み合わせることで、クロカン車の中でもトップクラスの悪路の走破性を実現していました。
そのためAZ-オフロードは、林道の走行や釣り目的での山道、砂浜の走行、スキー場への雪道走行にも最適で、レジャードライブ用として活躍。
簡素で頑丈な構造でありながら改造の余地が大きく、破損時の修復も比較的簡単に行えることも、アウトドア好きに愛用される理由でしょう。
そんなAZ-オフロードのボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1715mm、ホイールベースは2250mm。
エクステリアは、フロント部分の四角い枠の中に納まった丸目のヘッドライトが、可愛らしく親しみやすい雰囲気を出しています。
インテリアは、4輪駆動の切り替えがスイッチではなくレバー式となるのが特徴です。
パワートレインには、最高出力64馬力・最大トルク105Nmを発揮する660ccの3気筒ターボエンジンを搭載。
トランスミッションは5速MTおよび4速ATから選択可能で、安全装備としてアンチロックブレーキシステム(ABS)を標準装備していました。
ボディカラーはスペリアホワイト、シルキーシルバーメタリック、カシミールブルーパールメタリックの全3色から選択可能です。
車両価格は当時、147万円から158万円で販売されていました。
※ ※ ※
このAZ-オフロード、実はスズキが製造・販売していた「ジムニー(3代目)」とほぼ同じクルマで、スズキから提供されてマツダブランドで販売されるOEM車。
両車の違いは、内外装に取り付けられたエンブレムや形状がすこし変更されている程度で、基本的に大きな違いはありません。
つまりスズキの技術力を借りて、マツダの軽クロスカントリー車として登場したのです。
しかし、ジムニーの優れた悪路走破性をそのまま引き継ぎつつ、さらにオンロードでの操縦安定性も上々だったため、幅広いユーザーから受け入れられ、結果的に約15年半ものロングセラーモデルになりました。
現在も多くの中古車が取引されていますので、今からでも容易に手に入れられる点も魅力でしょう。