世界のモーターショーでは、将来のニューモデルを示唆するさまざまなコンセプトカーが公開されますが、なかでも注目されるのが、トヨタ車体が「ジャパンモビリティショー2023」に出展した「X-VAN GEAR CONCEPT(クロスバン ギア コンセプト)」です。どのようなクルマだったのでしょうか。
■ありそうでなかった! トヨタの「SUV」×「ミニバン」いつ発売する!?
2024年10月15日から18日まで、第2回「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー:JMS)2024」が幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されます。今回はおもにビジネス向けのイベントとなりますが、前回の第1回JMS2023では数多くのショーモデルが出展され、注目を集めました。
将来のニューモデルを示唆するさまざまなコンセプトカーが公開されるなか、いまなお市販化が大いに期待されているのが、トヨタ車体が出展した「X-VAN GEAR CONCEPT(クロスバン ギア コンセプト)」でしょう。
「ノア/ヴォクシー」や「アルファード/ヴェルファイア」、「ハイエース」、さらに本格四輪駆動車「ランドクルーザー」シリーズなど、“箱モノ”やSUVを多くの手掛けているトヨタグループのトヨタ車体。
クロスバン ギア コンセプトは、見た目は背の高いミニバンですが、大径タイヤを装着したSUVのような雰囲気もあり、ミニバンとSUVの“いいとこどり”をしたようなデザインをしていました。
乗車定員6名の3列シート車となっており、ボディサイズは全長4695mm×全幅1820mm×全高1855mm、室内長2965mm×室内幅1550mm×室内高1340mmと発表されています。
ちなみにノア/ヴォクシーは全長4695mm×全幅1730mm×全高1895mmですので、クロスバンギアは、ノア/ヴォクシーと全長が同じで、全幅は90mmほど広く、全高は40mmほど高めというサイズ感です。
エクステリアデザインは、前後の張り出したフェンダーと、ブラックアウトされたバンパーやサイドスポイラーなどが特徴。
細めのヘッドライトはヴォクシーに似ていますが、フロントガラスは垂直に近く、またボンネットも水平なので、SUVにより近い印象です。
またSUV風の大径ホイールが装着されており、前後や左右下側についた樹脂バンパーによって、アウトドアに似合うワイルドさが強調されています。
■実は3兄弟だった「クロスバン コンセプト」
そしてクロスバン ギア コンセプト最大の特徴が、助手席側のBピラーレスの大開口ドアです。
助手席ドアも前方へスライドしながら開くスイング機構が採用されており、自転車や釣り竿など長くてかさばるツールでも、簡単に積み下ろしすることができます。
インテリアは、2枚の大型ガラスルーフから差し込む光によって、明るく開放的なリビングのような雰囲気です。
2+2+2の3列シートのレイアウトですが、助手席シートが2列目シートの並びまで移動できる、ロングスライドとなっています。
さらに助手席は回転が可能で、2列目シートを倒してテーブルとし、対面で会話もできるレイアウトも採用します。
どうやらこのクルマの特等席は、ソファーのような3列目シートのようです。
釣りや自転車のような大物ギアを運んでアウトドアで遊び、疲れたら車内で家族や友人と会話を楽しむ……
そんな使い方が想像できるクロスバン ギア コンセプトは、アウトドア好きのユーザーに人気が出そうな予感がします。
また会場には展示されませんでしたが、クロスバン ギア コンセプトにはタイプの異なる別ラインナップも用意されており、その姿はトヨタ車体が制作したコンセプト映像で見ることができます。
ベーシックな「クロスバン コア コンセプト」はファミリーミニバンの提案で、ノア/ヴォクシーに続く第3の提案として支持を集めそうです。
またシンプルな「クロスバン ツール コンセプト」は、3列目を取り外し、広大な荷室に遊びのツールを積み込めるトランスポーターの提案。
ハイエースのように仕事と遊びの兼用車として、ユーザーが思い思いに楽しむ姿が容易に想像できる仕様となっています。
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ミニバンとSUVのクロスオーバーといえば、現在は三菱の「デリカD:5」が独り勝ちをしているジャンル。
トヨタからも新たなミニバンSUVが登場すれば、非常に面白いことになるかもしれません。
ノア/ヴォクシーのプラットフォームやパワートレインを活用すれば、市販化も思いのほか難しくはなさそうで、大いに期待したいモデルといえるでしょう。