トヨタ「プリウス」のプラグインハイブリッド車に従来よりも安価な「G」グレードが新たに設定されました。販売店にはどのような反響が寄せられているのでしょうか。
■「プリウスPHEV」が購入しやすくなる
2024年9月20日に、トヨタは「プリウス」のプラグインハイブリッド車の新グレード「G」を同年10月1日から発売すると発表しました。
販売店にはどのような反響が寄せられているのでしょうか。
プリウスは世界初の量産型ハイブリッド車として1997年にデビューしました。言わば「エコカー」を世界に広めたパイオニアです。
2003年デビューの2代目からはアメリカへの輸出も開始し、さらにガソリン高騰も相まってエコカーにより一層注目が集まり販売台数を伸ばしました。
2009年登場の3代目はボディを大型化するとともにエンジンの排気量を1.5リッターから1.8リッターへ拡大。販売店もトヨタ全店に広がり、高い人気を誇りました。
2015年発売の4代目は内外装のデザインの受けが悪く、さらにハイブリッドがトヨタ内のラインナップ、そして他メーカーでもプリウスの固有性ではなくなったこともあり人気が低下。
そして起死回生のモデルチェンジとなったのが2023年1月発売の5代目です。これが現行モデルとなり、実際に人気は大いに回復しました。
開発コンセプトは「Hybrid Reborn(ハイブリッドの生まれ変わり)」で、従来の強みであった優れた環境性能を継承しつつ、最新の「第5世代ハイブリッドシステム」を搭載。従来型を上回る低燃費での走行が可能となります。
さらにこれは「一目惚れするデザイン」と「とりこにさせる走り」を兼ね備えたモデルとなっており、デザインと性能の両面での刷新を図っています。
全体的なプロポーションは「モノフォルムシルエット」を引き継ぎながら、より低重心かつスタイリッシュなものに一新。
カラーはスポーティな印象の「アッシュ」と「マスタード」を新設し、全8色を用意しています。
グレードは排気量別に1.8リッターの「X」、2.0リッターの「G」と「Z」を設定。Zが装備を充実させた最上位モデルとなります。
特に2リッターモデルのシステム最高出力は従来型比1.6倍の144kW(196PS)を誇り、胸のすくような加速感やレスポンスの良さをドライバーに与えます。
そんな現行型プリウスですが、ハイブリッドモデルの発売から2ヶ月遅れて2023年3月にプラグインハイブリッドカーとなるプリウスPHEVが登場。
こちらのグレードはZのみが用意され、基本的な装備はZハイブリッドと同一です。価格はハイブリッドよりも高く460万円となります。
最先端モデルでありながらグレードの選択肢は一つしかないプリウスPHEVでしたが、2024年9月20日に新たに「Gプラグインハイブリッド」の追加が発表されました。
これはハイブリッドのGに相当するグレードで、価格は390万円と「Zプラグインハイブリッド」よりも購入しやすくなっています。基本的な装備はハイブリッドのGと同様です。
外観はPHEV固有の意匠を採用。フロントロアグリルは金属調シルバー塗装を施し、リヤコンビネーションランプはグレースモークとなっています。
さらに、ホイールは専用タイヤと切削光輝にブラック/センターオーナメントが付いたアルミホイールです。
ボディカラーは、「プラチナホワイトパールマイカ」「アッシュ」「アティチュードブラックマイカ」「マスタード」の4色が設定されています。
そんなプリウスのGプラグインハイブリッドですが、販売店にはどのような反響が寄せられているのでしょうか。関東圏のトヨタ販売店担当者は次のように話します。
「PHEVは住居に充電設備が無いなどの問題で、元々プリウスの中でも注文は少ない状態でした。一方で『もっと価格が安ければ』と問い合わせ自体は少なくありませんでした。
そのため『PHEVには補助金が出るため、安価な『Gプラグインハイブリッド』ならば差し引きでハイブリッドと大差ない価格になって買いやすい』と価格面での課題をクリアして人気が高まっている印象です」
関西圏のトヨタ販売店担当者は次のように話します。
「これまで人気のグレードはZハイブリッドで、PHEVは『気になっているが高額なので手が出ない』というお客様が多く、人気があまり集まっていませんでした。
今回のグレード追加により購入しやすくなったことでお客様から多くの注文をいただいております。
生産が1月のため納車は2月頃となります。それが補助金の年度替わり間近であるため購入を急がれるお客様が多いようです」
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プリウス特有の高い環境性能を持つ安価なグレードということで注目度は高いようです。
SNSでも「安価なPHEVを待っていた」という投稿がいくつか見られ、それなりな需要があることがわかります。