かつて若い世代から定評のあったトヨタ「bB」。2代目で生産の終わった同車について、3代目モデルの登場を期待する声が高まっています。
■トヨタ「bB」は復活する!?
「若者のクルマ離れ」という言葉があるように、“若い世代にどうやってクルマを購入してもらうのか”は、どのメーカーにとっても大きな課題です。
かつて若い世代を狙って一定の評価を得たクルマがありました。それがトヨタの「bB(ビービー)」です。
残念ながら2代のみでbBの生産は終わってしまったのですが「もしかしたら3代目が出るかも?」という期待が近年高まっています。
初代bBは、若い世代を狙って開発されたトールワゴンで、2000年に登場しました。
箱型のスクエアなデザインを採用し、室内空間が広く居住性が高いのが特徴。
ボディサイズは全長3825-3945mm×全幅1690mm×全高1635-1645mmと、決して大きいクルマではないのですが、車内スペースを有効活用でき、天井も高いトールワゴンだったので、室内は快適な空間となっていました。
パワーユニットには1.3リッターおよび1.5リッターガソリンエンジンが用意され、これに4速ATを組み合わせて、街乗りに必要十分なパワフルさを発揮。
内装はシンプルかつ機能的にまとめられ、使い勝手の良さ際立ちます。
厳つめの四角いデザインと細いヘッドライトはアメリカンな雰囲気もあり、ユニークな1台として狙いどおり日本の若者に受け入れられ、人気を得ました。
またアメリカでも、若者世代を対象としたブランド「Scion(サイオン)」の「xB」という車名で展開され、こちらも人気車となりました。
このように若い世代を狙い、実際にヒット作となった初代bBは、2005年まで販売。
最終的には、なんと5年間で32万台を超えるヒット車となったのです。
■2代目bBは「ミュージックプレーヤー」!?
初代のヒットを受けて2代目bBが登場したのは2005年です。
初代はコンパクトカー「ヴィッツ」のプラットフォームを使用していたのですが、2代目ではより小回りが効くように、もっと小さな「パッソ」のプラットフォームに変更。
2代目のデザインはトールワゴンの箱型ではあるものの、前輪回りに流麗な曲線をあしらい、またバックビューは斜めに切り落としたかのようなデザインとしたことで、より異形なものとなりました。
驚くのはキャッチフレーズが「トヨタのミュージックプレーヤー」だったことです。
この言葉どおりオーディオ関連の装備を充実しており、最上級グレードの「ZQ Version」では9スピーカーを装備。(後にスピーカーを2個追加したモデルも追加)
アームレストには「再生」「スキップ」などが可能な音楽再生用のコントローラが備え付けられており、音楽に合わせてLEDが点滅するイルミ機能も搭載されていました。
さらに目を引くのは、運転席・助手席にシートを深く沈み込ませることが可能な機能「まったりシート」が採用されている点。
これによって車外からの視線を避けながら、車内ではリラックスした姿勢でゆったりと音楽を楽しむことができます。
2代目bBのパワーユニットは、ダイハツ製の1.3リッターおよび1.5リッターエンジンで、組み合わさるトランスミッションは4速AT。
初代と同じく街中での走行や軽い遠出に十分以上の走行性能を実現していました。
また2代目bBには複数の兄弟車があり、ダイハツからは「COO(クー)」が存在。
そしてクーのOEM供給を受けるスバルからは「DEX(デックス)」というモデルが登場しています。
このように、非常に個性的な外見とミュージックプレーヤーらしい内装と機能を持って登場した2代目bBは、なんと2016年8月まで販売が継続されるロングラン車となりました。
■2023年にトヨタが「bB+ コンセプト」を発表!
その後、2023年に開催された日本最大のモーターショー「ジャパンモビリティショー」でトヨタは、「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」というコンセプトカーを公開しました。
このモデルは四角いスクウェアなデザインで、内部は運転席1席だけ。
後席はスライドドアとテールゲートを装備しており、「好きなときに・好きな場所で・好きなことができる」モビリティの未来を実現するモデル、とトヨタは説明します。
そして、このカヨイバコの発展型として複数のイメージ画像も公開されたのですが、その中に「bB+ CONCEPT」と描かれたモデルが存在していたことから、一部ファンからはカヨイバコが3代目bBとして復活するのではないかと大きく話題になりました。
このbB+ CONCEPTのデザインは、艶のある黒いボディに大径のメッキホイールを装備しており、夜の都会を走行する姿はまさしく、かつてのbBの面影そのものです。
このように、3代目の登場に期待の寄せられているbB。
もし復活したら一体どんなデザインで登場するのでしょうか。
往年のbBユーザーのみならず、新たな自動車ユーザーとなる若い世代にとっても楽しみな話です。