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トヨタ公開の斬新「和製スポーツカー」が凄い! 3.3リッターの「V型6気筒エンジン」にハイブリッド搭載! 画期的「3人乗りシート」採用した超パワフルな「アレッサンドロ」とは

くるまのニュース 2024年10月15日 19時10分

かつてトヨタが発表した「アレッサンドロ・ボルタ」とは、一体どのようなクルマなのでしょうか。

■トヨタの「斬新スポーツカー」は超パワフルな「ハイブリッド」搭載!

かつてトヨタは、スイスで開催された「ジュネーブモーターショー2004」にて、「アレッサンドロ・ボルタ」という個性的なコンセプトカーを出展しました。
 
 このアレッサンドロ・ボルタとは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。

 アレッサンドロ・ボルタは、トヨタが、イタリアのデザイン会社「イタルデザイン・ジウジアーロ(以下、イタルデザイン)」と共同開発したスポーツクーペです。

 イタルデザインを設立したのは「ジョルジェット・ジウジアーロ」という人物で、1968年に日本人の企業家「宮川秀之」と、名人級の板金技術者「アルド・マントヴァーニ」の協力を受けながら設立しました。

 またイタルデザインは、トヨタ「カローラ(5代目モデル)」や、日産「マーチ(初代モデル)」、ダイハツ「ムーヴ(2代目モデル)」など、日本でもメジャーな車種のデザインを数多く手掛けています。

 2010年には、フォルクスワーゲングループの一員である「ランボルギーニ」が、イタルデザインの株式90.1%とブランド名および特許技術の使用権を取得し、2015年には残りの株式が「アウディ」に売却され、ジョルジェット・ジウジアーロは会社を去りました。

 今回取り上げるアレッサンドロ・ボルタは、そのような経緯を持つイタルデザインに、まだジョルジェット・ジウジアーロが在籍していた時代の作品です。

 アレッサンドロ・ボルタのボディサイズは、全長4358mm×全幅1925mm×全高1145mm。

 エクステリアは、いわゆるガルウィング(正式名称はシザースドア)を採用していることと、マフラーがリアではなくサイドから出ている点が特徴です。

 インテリアは横並びの3シーターのシートレイアウトを採用しており、またハンドルとペダルボードが横にスライドすることで、右・真ん中・左のどの席に座った人でも運転できるという、画期的な構造となっています。

 パワートレインは、当時のレクサス「RX」(海外仕様「ハリアー」)の2代目モデルと同じ3.3リッターV型6気筒エンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッドユニット「THS2」を搭載。

 最高出力はRXの268馬力から134馬力アップした402馬力を発揮し、0-100km/加速は4.06秒、最高速度は250km/h以上、航続距離は約700kmを誇ります。

 また上記のエンジンは後輪に直接接続しておらず、後輪の車軸の後ろに配置。さらに前後それぞれの車軸に1つずつ電気モーターを取りつけた4輪駆動という仕様でした。

 今でこそEVやハイブリッドのスポーツカーは珍しくありませんが、2004年当時で地球環境にも配慮したスポーツカーというのは、非常に画期的なアイデアでした。

「レーシングカーのような形状を持ちながら、環境に優しいクリーンなシステムに対応できれば、将来そのようなセダンやコンパクトカーを簡単に設計しつづけることが可能になる」

 そんな思いを込めて、このコンセプトカーには“バッテリーを発明した物理学者”である、アレッサンドロ・ボルタの名がつけられたのです。

 そんなアレッサンドロ・ボルタですが、約20年が経過した現在も残念ながら市販化はされておりません。

※ ※ ※

 未来のクルマに懸ける思いから生まれたコンセプトカー、アレッサンドロ・ボルタ。

 あえてもっとも難しそうなスポーツカーで電動化をやってみせることで、通常のセダンやコンパクトカーといった量産車で再現するハードルを、グッと下げたクルマだったのではないでしょうか。

 ジョルジェット・ジウジアーロが退職して約9年が経過していますが、EVやハイブリッドのスポーツカーが一般的になった現代のクルマ社会を、一体どのように見ているのか気になるところです。

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