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ホンダの「軽SUV」がスゴイ! 超個性的な「AWD×ミッドシップ」搭載! レトロな“懐かしデザイン”採用した、めちゃ楽しそうな「ゼット」とは

くるまのニュース 2024年10月3日 5時50分

かつてホンダに存在した「Z」とは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。

■超個性的な「AWD×ミッドシップ」搭載!

 ホンダには、かつて「Z(ゼット)」というクルマが存在しました。
 
 このZとは一体どのようなクルマだったのでしょうか。

 Zは、かつてホンダが生産・販売していた軽自動車です。

 初代モデルが登場したのは1970年で、「NIII360」というホンダ初の量産型乗用車をベースにして作られた、スペシャリティカーでした。

 スペシャリティカーとは、スポーツカーのようなルックスでありながら、走行性能ではなく快適性や居住性を重要視したクルマのことです。

 そのためZは、2枚のドアを持つクーペスタイルでありながら、大人4人が乗車できる居住性を確保していました。

 そんな初代Zのボディサイズは、全長2995mm×全幅1295mm×全高1275mm、ホイールベースは2000mm。

 エクステリアは、黒くて太い樹脂製の枠がついたリア部分のガラスハッチが特徴で、このガラスハッチの見た目から初代Zは「水中メガネ」と呼ばれ、多くのユーザーに愛されました。

 またインテリアは、航空機のようなデザインのメーター類を特徴としています。

 初代Zのパワートレインは、最高出力36馬力・最大トルク31Nmを発揮する360cc直列2気筒空冷エンジンを搭載。

 車両価格は当時、34万8000円から46万3000円に設定されていました。

 この初代モデルが1974年に販売終了となった後、約24年ものブランクを経て、1998年にZの2代目モデルが登場します。

 2代目Zは初代とは違い、なんとSUVタイプの4輪駆動車として開発。

 エンジンはミッドシップ(車体の中央)に配置した、トールワゴンとライトSUVの良いとこ取りをしたようなクルマで、このパワートレインが後部座席の下に配置される独自の構造によって、2代目Zは当時の軽自動車の衝突安全基準を大幅にクリアしていました。

 そんな2代目Zのボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1675mm、ホイールベースは2360mmと、初代モデルに比較し全体的に車体を拡大。

 エクステリアは、当時は高級セダン以外にはあまり装備されていなかったグリップ式(取手式)のドアアウターハンドルを軽自動車に採用したことや、二重のヘッドライトカバーがついている点が特徴です。

 またインテリアは、ホンダの軽自動車としては初めて2DINオーディオスペースを標準装備したインストルメントパネルを採用。

 エンジンを後部座席の下に配置したことにより、小さなボディながらも広い車内スペースを実現していました。

 パワートレインは、660cc直列3気筒エンジンおよびインタークーラー付きのターボ仕様の2種類を用意。

 前者は最高出力52馬力・最大トルク60Nm、後者は最高出力64馬力・最大トルク93Nmを発揮します。

 安全装備としては、アンチロックブレーキシステム(ABS)をメーカーオプションで装備。

 車両価格は111万円から135万円でした。

 このような2代目Zでしたが、軽SUVとしては車両価格が高く、また選べる仕様が3ドア・4ATのみ。

 またグローブボックスが無いなど使い勝手の悪さが指摘され、約4万台しか売れないまま2002年に販売終了となってしまいました。

※ ※ ※

 初代モデルと2代目モデルでまったく異なるスタイルのクルマとして登場した、ホンダのZ。

 とくに2代目モデルは、車内空間を広くするための工夫が各所に見られるユニークな構造を採用していましたが、それでもユーザーからの評価は「使い勝手が悪い」という厳しいもので、需要もそこまで無かったこともモデル消滅の理由のひとつです。

 もし軽SUVが一般的となった現在に登場すれば、また違った評価になるかもしれないと思うと、非常に勿体なく残念なクルマだと言えるでしょう。

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