クルマを運転していると、ときどき道路標識や道路の形状などが複雑で通行方法に迷ってしまう場面があります。急カーブ、逆Y字型の道路では、どのようにウィンカーを出すのが正解なのでしょうか。
■急カーブではウィンカー出すべき?SNS上では「道なりだから不要」「出した方が分かりやすい」など意見さまざま!
急なカーブの道路においては、ウィンカーを出しているドライバーと出していないドライバーの両方がみられます。
では、一体どのように通行するのが正解なのでしょうか。
クルマを運転していると、ときどき道路標識や道路の形状などが複雑で通行方法に迷ってしまう場面があります。
特に大きな右カーブに他の道路が接続したアルファベットの「r」のような形をした道路。
もしくはその逆の形をした道路においては、カーブを曲がるときに「ウィンカーを出すか・出さないか」の判断に困るドライバーが少なくありません。
これに関してSNS上では、ドライバーから「ウィンカーを出すべきか一瞬悩む」「カーブは道なりだからウィンカー不要と思ったけど、前のクルマはウィンカー出してた」「ウィンカー出した方がどちらの方向へ行くか分かりやすいと思う」などの声が寄せられました。
加えて、「カーブではない方の道(カーブと接続している道路)に行きたいとき、ウィンカーを出すべきなのか気になる」という意見も聞かれます。では実際のところ、どのように通行するのが正解なのでしょうか。
結論から言うと、カーブを道なりに通行する際にウィンカーを出す必要はありません。
ウィンカー(方向指示器)を出す場面については道路交通法第53条に規定されており、右左折や転回をするとき、同一方向に進行しながら進路を変えるときなどが該当します。
法律上カーブを道なりに進むということは直進することと同じであり、ウィンカーが必要な場面に当たらないため、ウィンカーを出さなくても良いといえるでしょう。
その一方で、道なりのカーブと接続した別の道路に進む場合はウィンカーを出して通行しなければいけません。
たとえば右カーブと垂直に他の道路が接続している「r」のような形の道路において、接続した道路の方へ進む場合は左ウィンカーを出します。
北海道警察 余市警察署が公表している「交差点の通行方法」という資料においても、カーブでの通行方法に関して次のように説明しています。
「国道や道道が主となる道路で、そこに町道が接続している時、主となる道路に沿ってカーブを走行する際は、たとえ右左折に見えてもウィンカーは必要ありません。
逆に直進するように見えても、主となる道路から町道に入る際はウィンカーが必要になります」
つまりメインの道路を走り続けるならばウィンカーは不要、メインの道路から別の道路へ進むならばウィンカーが必要という認識です。
一般的にメイン道路側にはセンターラインが引かれていたり道幅が広かったりするほか、メイン道路ではない方の道には「一時停止」の標識や停止線などがあります。
運転の際には、これらをメイン道路か否かの判断材料にすると良いかもしれません。
さらにウィンカーの出し方に迷いが生じるケースとして、メイン道路と側道が鋭角に交わる「逆Y字型」の道路が挙げられ、多くの場合、側道の方に一時停止標識や停止線があります。
このような形状の道路では側道からメイン道路に入る際、左ウィンカーを出すドライバーと右ウィンカーを出すドライバーに分かれます。
高速道路における合流と同じ感覚で右ウィンカーを出してメイン道路に入るドライバーが多いものの、実は左ウィンカーを出すのが正しい通行方法です。
その理由は逆Y字型の道路が高速道路の合流部分でみられる「付加車線」ではなく「交差点」に該当するためです。
逆Y字型の道路は、「側道の交わる角度をきつくした丁字路交差点」と考えると分かりやすいといえるでしょう。
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大きなカーブや角度のきつい交差点などでは、ウィンカーの出し方を誤っているドライバーが散見されます。
誤った合図を出して走行すると周囲のクルマを混乱させてしまうおそれがあるため、正しいウィンカーを心がけるとともに周囲の安全確認をしっかりおこないましょう。