2ドアクーペのスポーツカーとして人気のトヨタ「ハチロク」ですが、かつてオープン仕様が公開されたことがあります。どのようなモデルなのでしょうか。
■初代ハチロクをオープン化!? 斬新仕様の正体は?
トヨタのスポーツカーとして「GR86」がラインナップされています。
初代モデルは「86(ハチロク)」という車名で2012年に登場。トヨタとスバルが共同開発した4人乗り2ドアクーペで、スバルの水平対向エンジンとトヨタの直噴技術「D-4S」を融合して搭載した、後輪駆動(FR)のスポーツカーとして人気を得ました。
2021年にフルモデルチェンジした現行モデル(2代目)も2社による開発がおこなわれ、2ドアクーペスタイルやFRレイアウトを継承しつつ、エンジン排気量を2.4リッターに拡大して動力性能を向上させています。
デビューから一貫して2ドアクーペを守るハチロクですが、過去にオープンカーのコンセプトモデルが公開されたことがありました。
それが、「ジュネーブモーターショー2013」で世界初公開された「FT-86 オープンコンセプト」です。
FT-86 オープンコンセプトは将来のスポーツカーのスタディモデルとして製作されたコンセプトカーで、初代ハチロクをベースとしています。
最大の特徴はクーペスタイルからオープンカーへと変更されている点にあり、電動開閉式のソフトトップを搭載。ベース車の美しいクーペシルエットを保ちつつ、オープン化を実現しました。
FT-86 オープンコンセプトのボディサイズは全長4240mm×全幅1775mm×全高1270mm。全長と全幅はベースのハチロクと同じですが、全高はFT-86 オープンコンセプトのほうが30mm低く設定されています。
ジュネーブモーターショーで公開されたFT-86 オープンコンセプトは、内外装カラーにホワイトが用いられ、明るく華やかな印象を演出。
内装では、フロアカーペットやステッチなどにイエローのアクセントが施されたほか、インパネ中央には、ベース車には設定されていない3連メーターが装着されるなど、スポーツカーらしいアイテムも加えられました。
なお、2+2の4人乗りであるところはベース車から変わりなく、狭いながらも後席にも乗車することが可能です。
FT-86 オープンコンセプトについてトヨタは、ハチロクが特徴である運転する楽しさやクルマとの一体感はそのままに、オープンカーならではの「自然との一体感」を付与したと説明しています。
当初はFT-86 オープンコンセプトが市販化されるという噂もありましたが、現在までにハチロクのオープンカーは実現していません。
※ ※ ※
2013年11月に開催された「東京モーターショー2013」でFT-86 オープンコンセプトが日本初公開され、このときはジュネーブショーとは異なる赤いボディカラーで登場。
ショーモデルの特別色として、ハチロクのイメージカラーであるレッドをさらに進化させた「フラッシュレッド」を採用していました。
また、2024年2月には、トヨタ博物館(愛知県長久手市)にてホワイトのFT-86 オープンコンセプトの実車を公開。
ステーションワゴンの試作車「86 シューティングブレイクコンセプト」とともに展示され、話題となりました。