「ケータハム」ブランドを所有するVTホールディングスは、2020年代半ばの発売を予定しているスポーツカー「プロジェクトV」の量産・市販に向けて、ヤマハ発動機と協業していくことを明らかにしました。
■英国ケータハムの注目モデルに「ヤマハの技術」投入
「ケータハム」ブランドを所有するVTホールディングスは2024年10月2日、スポーツカー「プロジェクトV」の量産・市販に向け、ヤマハ発動機と協業していくことを明らかにしました。
ケータハムは英国発の小型スポーツカーブランドで1973年に創業。「セブン」に代表されるライトウェイト2シーターオープンスポーツカーを生産しています。
2009年には日本国内で新車ディーラーを運営するVTホールディングスの傘下となりました。
2023年には設立50周年を記念してさまざまなイベントが開催されましたが、同年7月、イングランド南部サセックスで開催のモータースポーツイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で新型EVスポーツカー プロジェクトVを世界初公開しました。
市販に向けて開発が進んでいる新型プロジェクトVは、当初からEVとして設計されたニューモデルで、ケータハムらしい軽量で軽快なドライビングを可能としています。
パワートレインはリアアクスルに搭載された200kW(272馬力)のシングルモーターに、55kWhの大容量リチウムイオン電池を組み合わせる後輪駆動です。
これにより、0-62mph(約100km/h)加速は4.5秒未満、最高速度(推定)は143mph(約230km/h)をマーク。
カーボンファイバーとアルミニウムのコンポジット素材を採用した軽量な車体は1190kg(目標値・DIN)未満を実現し、ハンドリングや路面追従性に優れるダブルウィッシュボーンサスペンションを前後に採用するなど、俊敏なスポーツ走行も可能としています。
一方で、航続可能距離は249マイル(約400km・WLTPモード)を確保するなど、実用域における使い勝手も追求されています。
エクステリアデザインは、セブンを所有するフランス人デザイナー、アンソニー・ジャナレリ氏が手掛け、製作は数多くの名車をもたらしたイタリアの老舗デザインスタジオ イタルデザインが担当。
従来のケータハムモデル同様、軽量かつドライビングの楽しさを引き出すためにデザインされ、シンプルかつミニマムにまとめました。
ロアグリルや前後フェンダーなどには、セブンシリーズをほうふつとさせるデザイン要素を採用しつつ、ブラックの前後アンダースポイラーや楕円形のテールなど新たな意匠も組み合わせ、新時代のケータハムモデルを表現。
インテリアはドライバー中心に設計され、全体をシンプルにまとめながら、スエード調素材やダブルステッチを随所に施し、プレミアムな仕立てとしています。
メインメーターやインフォテインメントシステムなどにはアナログ計器風表示も可能な液晶ディスプレイを採用し、先進性と視認性に加え、エモーショナルな雰囲気を両立させています。
シートレイアウトは前席2人+後席1人の3人乗りが基本となり、オプションで後席2人乗り仕様も設定されます。
今回の発表によると、パワートレイン主要部に当たるeアクスル(モーターなどの駆動ユニット)開発をヤマハが担当するほか、運動制御もヤマハの技術・知見を活かした「Caterham Powered by Yamaha Motor」を実現するといいます。
今後、クルマやメカトロニクスの研究開発を行う東京アールアンドデーとともにプロトタイプ車両の開発を進めているとし、プロトタイプは2025年央頃に完成する見込みとしています。
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発表当初では2025年後半の市場投入を予定しているとされ、価格は8万ポンド(発表当初レートで約1452万円)以下を目指すとしています。
なお、日本においては2024年1月開催の「東京オートサロン2024」で初披露されており、日本法人の広報担当者によれば、国内導入も予定していると話しています。