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高速道路の脇にある「謎のクルクル回る風車」の正体は!? 仲良くクルクル…「かわいい」だけじゃない「すごい意味」とは

くるまのニュース 2024年10月12日 20時10分

風によりクルクルと回っている「謎のオレンジ棒」が高速道路脇に設置されています。風量に関する設備のようにも見えますがその正体とはどのようなものなのでしょうか。

■クルクル回る「謎のオレンジ風車」とは

 高速道路を走行すると、車道の横にオレンジ色の丸い反射板が見えます。注意してみると、なかには「風車」のような羽がついたものもあります。
 
 風が吹くと羽がくるくると回っていますが、いったい何の目的があるのでしょうか。

 謎の「風車付きオレンジ」の正体は「視線誘導標(デリネーター)」という安全設備です。

 車道の横に設置されることで、走行方向の道路の形などを遠くまで分かりやすく示す役目があり、高速道路だけでなく一般道でも見られます。

 夜間もヘッドライトを反射して、ドライバーの視線を誘導します。ヘッドライトだけではすぐ前しか明るくならず、高速走行中の「その先の線形」がはっきり分かりませんが、デリネーターがしっかり反射光を放つことで、夜間やカーブ地点だけでなく、視界が悪い環境や、ハイスピードで運転する高速道路でも助かります。

 デリネーター全般の設置場所については、「視線誘導標設置基準」で定められています。

 高速道路では、原則として全線連続してデリネーターを設置する必要があります。ただし、道路照明施設がある場合は省略可能です。

 設置する場所は、本線の左側と右側、中央分離帯、ランプ、ランプから本線に合流する変速車線です。道路の形状により異なりますが、最長でも50mに1基は設置しなければなりません。

 また、反射板の色は全てオレンジではなく、基本的にはドライバーから見て左側が白色、右側がオレンジ色です。

 一般道路の場合、安全かつ円滑な交通を確保するため必要な場合のみ設置すれば良いとされています。原則として道路の左側、必要に応じて中央分離帯や道路右側にも設置します。また、設置間隔は最大でも40mです。

■謎の「風車付き」デリネーターの役割は?

 そんなデリネーターの材質や反射板の色、形状、反射性能、支柱の高さなどは、「視線誘導標設置基準」により細かく規定されています。

羽が付いてないタイプも存在

 たとえば反射板の形は丸型で直径7センチ以上10センチ以下。特に注意が必要な場所には大型なものが設置されます。高速道路では10センチのものと決められているようです。

 さらに、反射板の裏面は蓋などで密閉し、水やごみが入らない構造にしなければなりません。

 反射板の取り付け方もひとつではなく、支柱に垂直に乗せるタイプや反射板だけを横向きや下向きに設置できるもの、ガードレールの上に付けたり、トンネル内の壁面につけたりするものもあります。

 そういったバリエーションのひとつが「風車付きのデリネーター」です。

 反射板は、表面にチリやほこりがたまると反射性能が下がってしまいます。しかし、無数に立っている反射板を、クルマが横をビュンビュンすり抜けていくなかで、いちいち拭いていられません。そこで、表面の汚れを自動で落としてくれるよう、風車の羽を付けているのです。

 羽の下にはゴムワイパーがついていて、風車が回ると反射板の表面を掻き取る仕組みです。

 NEXCO中日本広報課の担当者は、こうした「風車付き(防塵型)デリネーター」が多く設置される場所として、次のように話します。

「特に、トンネル内や交通量の多い区間は排気ガスや粉じん等による汚れが著しく、反射機能の低下が著しいと予想される区間に防塵型の視線誘導標の設置を基本としています」

 いっぽう防塵型デリネーターは、その風車自体によって反射性能が低下するおそれもあるため、やみくもに立てる訳でなく、たとえば「縁石の端がはっきり認識できるよう対策済みの場所」などでは、通常のものを設置するといいます。

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