近年広く普及する「セルフ式ガソリンスタンド」ではドライバー自らが給油をします。そのためやってはいけないNGな行為があるのですが、それはどういうことなのでしょうか。
■「それやっちゃダメ!」セルフ式GSでのNG行為とは?
セルフ式ガソリンスタンドは全国的に普及しており身近な存在ですが、基本的にドライバー自ら停車して、給油機の操作や支払いを行います。そのため注意しなければ事故に繋がることもあります。
事故を防ぐためにセルフ式ガソリンスタンドでやってはいけないことがあるのですが、それはどういう行為なのでしょうか。
燃料を給油している間は、目には見えない「ガソリン蒸気(ガソリンベーパー)」が給油口から吹きだしています。
このガソリン蒸気はガソリンと同じく可燃性であり、ライターやタバコの火はもちろん、静電気といったわずかな火花でも引火します。
そのため車内のシガーライターも含めて給油中にタバコを吸ったり、ライターに火をつけるといったことはNGです。
給油機に静電気除去シートが設置してあるので、触れてから操作を行うようにしましょう。
また、給油中にうっかりガソリンがもれたり、あふれたりした場合は大量のガソリン蒸気が周りの空気中に発生するので、より一層火気に気をつける必要があります。
セルフ式では、給油口に給油ノズルを挿し込んでレバーを握ると給油が始まり、満タンになったら自動的に給油がストップします。
これはオートストップ機能という仕組みで、ノズルの先がタンク内のガソリンに触れると満タンと判断して勝手に給油が止まる機能です。
ただし、ストップした後に給油レバーを握れば再度給油されるのですが、これは「継ぎ足し給油」と呼ばれており、吹きこぼれやタンク内にあるガソリンが給油口からの逆流など非常に危険な行為です。消防庁は継ぎ足し給油は決して行わないよう注意を呼びかけています。
給油が終わってタンク内をパッと見た感じで「まだ入りそうだな…」「今ガソリンが安いから限界まで入れたいな…」と思っても、実際はきちんと満タン入っていたり、継ぎ足した瞬間に吹きこぼれたりすることがあるので、絶対に継ぎ足し給油は行わないように気を付けてください。
また給油ノズルを差し込んでから終わるまで、レバーから手を離さないようにしましょう。
給油ノズルを差し込むと、1秒あたり約0.58リッターのガソリンを給油することができ、意外と勢いよく燃料が流れ込みます。
そのため給油中にレバーから手を離すと、給油ノズルがガソリンの勢いやバランスを崩してノズルが外れ、ガソリンがこぼれる恐れがあります。
さらに手を離さないようにしていても、スマートフォンなどを操作しながらの操作は給油だけに注意が向けられなくなり、うっかりガソリンがこぼれてしまうという事態を招きかねません。
給油は数分程度で終わることなので、安全のためにスマートフォンなど気にせず給油の間は給油だけに集中しましょう。
また一般的なガソリンスタンドで、いざ給油というタイミングでまだエンジンがついていたらスタッフにエンジンを止めるように言われますが、セルフ式ガソリンスタンドでもエンジンを停止させて給油するという点は同様です。
上記で紹介した通り、ガソリンやガソリン蒸気というのは非常に引火しやすい性質があるため、エンジンをかけたまま給油すると、エンジンの熱や火花がきっかけで引火する可能性があります。
万が一ガソリンが吹きこぼれてしまったら、基本的に近くにウエスまたは水を備えているので、少し垂れた程度ならウエスでふき取り、ボディやタイヤにもこぼれてしまったらガソリンが付着している部分に水をかけて洗い流しましょう。
そのままにしておくと少量だとすぐ乾くのでそのままにしてしまう人がいるかもしれませんが、ボディの塗装が傷んでガソリンの染みが残ってしまうことがあります。ボディに付いたら放置せず、ガソリンの成分が残らないよう必ずきれいにしましょう。
たまに前の人が使った後のウエスにガソリンが多く付いており、ふき取るはずが逆にクルマに付けてしまうこともあります。
ガソリンスタンドのスタッフに頼めばきれいなウエスに替えてもらえるので、遠慮なく交換を依頼しましょう。
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セルフ式ガソリンスタンドは安全装置付きの機器が設けられていたり、危険物取扱者の資格を有した従業員が給油の様子を見守ってくれていたりしますが、ガソリンという危険物を扱っている以上、ドライバーも「やってはいけない」基本的な知識をもっておくことも大切です。