日産のハイパフォーマンスカーである「GT-R(R35型)」の生産終了がアナウンスされたことによって、次期モデルの登場に期待が高まっています。そんななか、次期GT-Rを彷彿とさせるようなコンプリートモデルの市販化が注目を集めています。
■“R36”ついに“生産版”公開
レースで勝つことを目標に開発された日産「GT-R」は、世界に誇れるスポーツカーとして長い間支持されてきました。
もともとGT-Rの歴史は古く、1969年の3代目「スカイライン(ハコスカ)」に設定されたモデルが初代となります。
しかし、4代目モデルの“ケンメリ GT-R”(KPGC110型)は排ガス規制などの影響で短命で終わり、しばらくはGT-Rのエンブレムを着けたモデルは登場しませんでした。
その後、1989年に誕生した8代目をベースにしたスカイラインGT-R(BNR32型)から第2世代に突入し、2002年のスカイラインGT-R(BNR34型)まで、日産のモータースポーツの技術の高さを世界中に知らしめる存在となりました。
そして、2007年に「GT-R」(R35型)が登場。これまでの砲弾型丸目4灯のテールランプこそ継承するものの、これまで貫き通してきた直列6気筒エンジンとは別れを告げ、V型6気筒エンジンを搭載。さらにスカイラインの名前を廃し、独自のモデルとして活躍します。
R35型GT-Rのモデルサイクルは18年とかなりのロングライフですが、ほぼ毎年小改良を重ね、誕生当初は777万円だったエントリーモデルも2025年モデルでは1444万3000円からとなっており、2倍近い車両価格になっています。
そんなGT-Rも基本設計の古さや、環境規制に対応することが困難なこともあって、2025年8月に生産を終了するとされています。
生産が中止となると期待が高まるのが“次期型”ですが、現時点では日産からどのようなモデルとなるのか、正式な情報はありません。
そんななか、ドイツにあるArtisan Vehicle Design社のデザインするGT-R(R35型)ベースのコンプリートカー「R36 ARTISAN GT-R」が注目を集めています。
もともとは”R36 スカイライン GT-R”と名付けられた予想レンダリングから始まっています。デザインディレクターのRoman Miah氏とAvante Design社が製作した画像をSNSに投稿したことがきっかけです。
ボディのベースはR35型を採用しながら、スカイライン時代のBNR34型と、前モデルのBCNR33型などのテイストを巧みにミックスしたデザインは多くの反響が集まり、実車化を要望する声が高まりました。
そこでArtisan Vehicle Design社は市販化に踏み切り、SNSでも大いに賑わいました。なお製作は、R35 GT-Rをドイツの工場に持ち込み、すべてハンドメイドで製造する契約となっています。
エクステリアにおいてはほとんどのパーツが切り取られ、代わりにカーボンファイバー製のボディパネルに換装します。
インテリアも大幅に手が加えられており、RECARO社製バケットシートに換装されるほか、テスラのような大型ディスプレイがセンターコンソールに鎮座するなど、先進的でレーシーなデザインとなっています。
ボディカラーも豊富で、白、黒といった定番のものや青や紫など10色の例が、これまでに投稿されています。
また、エンジンにも手が入り「トラックパッケージ」と「アルティメットパッケージ」の2モデルを用意。
トラックパッケージでは、インタークーラーや燃料ポンプを見直すことで最高出力800psまで出力を高め、ギアボックスも改良されます。
そしてアルティメットパッケージでは、エンジンを4.1リッターにボアアップ、更にタービンの交換で最高出力1000psを実現しました。
そんなR36 ARTISAN GT-Rについて、2024年9月29日にSNSの更新があり、生産バージョンのデザインが初公開され、祝福のコメントでにぎわっていました。
SNS上では「最近見た中では最高の再設計で、旧世代の良さを維持しながら現代化しているのは素晴らしい」、「実車が公開されるのが待ちきれません」など、デザインの完成度の高さを評価するコメントが寄せられていました。
ほかにも「日産は至急あなたたちに電話したほうがいい」など、次期GT-Rとして熱望する声も寄せられていました。
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歴代GT-Rのいいとこどりのデザインとカーボンボディ、さらにハイパワーエンジンをもつR36 ARTISAN GT-Rは、世界各国ではもちろんのこと、日本国内でも高い人気を誇りそうです。