トヨタは2024年11月にアメリカで開催される「SEMAショー2024」に向け、往年の名車「セリカGT-FOUR」の現代版とも言うべきカスタムモデルを製作しているようです。
■「GR86+GRカローラ=現代のセリカGT4?」トヨタのSEMA 2024プロジェクトとは
2024年11月5日から8日の「SEMAショー2024」に向け、トヨタはカスタムモデルを製作しています。
それは往年の名車「セリカGT-FOUR」の現代版とも言うべきモデルのようです。
SEMAショーはアメリカ・ラスベガスで開催される世界最大級のカスタマイズカーショー。
北米のみならず日本を含めた世界各国からカスタムショップや自動車メーカーが出展し、自動車カスタム文化の見本市と言えるイベントです。
トヨタも例年ブースを出展していますが、カスタムは自社で行うのではなく現地のチューニングショップや個人に依頼する形となっているのが特徴です。
トヨタはSEMAショー2022では、レース・ストリート向けにカスタムされた車両と、オフロード向けにカスタムされた車両の13台を展示。
イベント前から製作過程を動画に投稿し注目を集めていた「GRカローラ ラリー コンセプト」や自動車写真家のラリー・チェン氏が手がけた「GR86デイリードリフター」などが展示されました。
SEMAショー2023では「ランドクルーザー」を700馬力超えまで発揮するようにカスタムした「FJブルーザー」が注目を集めました。
そして2024年のSEMAショーでは、現地のチューニングショップにカスタムを依頼した、現代版セリカGT-FOURとも言うべきカスタムカーを展示することが予定されています。
その製作工程は前出のラリー・チェン氏のYouTubeチャンネルに投稿されています。
そんなセリカGT-FOURですが、本来はどのようなモデルなのでしょうか。
以前から存在したのが1970年にデビューしたスポーツ・スペシャリティカーの「セリカ」です。
そこからモデルチェンジを重ね1985年発売の「4代目セリカ」の時に設定された派生モデルが1986年発売のセリカGT-FOURとなります。
最高出力185馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、駆動方式はセンターデフ式フルタイム4WDシステムを採用。
足まわりは専用チューニングの前後ストラットで、ブレーキはフロントベンチレーテッドの4輪ディスクとなっています。
ラリーでも世界的に活躍し、以降5代目と6代目でもGT-FOURが設定されました。
しかし7代目では設定されず、セリカ自体も2006年に生産終了したためGT-FOURの歴史も途絶えています。
そのため現在SEMAショー2024に向けて製作されているセリカGT-FOURを思わせるカスタムカーは大いに注目されています。
製作を担当するのは現地のチューニングショップである「エヴァーシブ・モータースポーツ」です。
その製作過程が前出の自動車写真家ラリー・チェン氏のYouTubeチャンネルに投稿されており、具体的なカスタムの様子を窺えます。
気になるベース車ですが、トヨタのスポーツブランド「GR」で展開される「GR86」。
GR86は2WDであるため、同ブランドの4WDモデル「GRカローラ」のパワートレインを移植するようです。
GRカローラは直列3気筒ターボエンジン、6速MT、4WDシステムを有するため、確かにセリカGT-FOURのような走行性能が期待できます。
一方のGR86は4WDを想定した設計ではないため、移植は容易ではありません。
フレームを切り貼りして組み替え、サスペンションの一部にワンオフパーツ、特別にカスタムしたハブなどを使用するようです。
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歴史が途絶えてなお高い人気を誇るセリカGT-FOUR。「現代版」がSEMAショーで公開されると大いに注目を集めるのではないでしょうか。