国土交通省 奈良国道事務所は2024年10月4日、土砂崩れで半年以上通行止めになっている下北山村の国道169号について、新ルートとなる「上池原トンネル」の工事発注の手続きを開始すると発表しました。
■深層崩壊の危険 大きく迂回せざるを得ず
国土交通省 奈良国道事務所は2024年10月4日、土砂崩れで半年以上通行止めになっている下北山村の国道169号について、新ルートとなる「上池原トンネル」の工事発注の手続きを開始すると発表しました。
国道169号は奈良県奈良市から南下し、吉野町、三重県熊野市を経て、和歌山県新宮市へ至る道路です。南部の山岳区間は延々と深い谷を抜けていき、狭隘で急カーブが連続します。
2023年12月、三重県境付近の池原ダムに近い下北山村上池原で、大規模な土砂崩れが発生し、死傷者2名を出す被害となりました。
6月に仮橋が架設され、一般車両も交互通行で通り抜けられるようになりましたが、この区間の本復旧については現道を作りなおすのでなく「トンネルで丸ごとショートカットする」という方針が決まりました。
新ルート「上池原トンネル」は長さ約2.8kmにもおよぶ長大トンネル。ダム湖沿いにクネクネと山肌を縫う現道に対し、西側を直線で最短距離でむすぶ形です。完成すれば、2km近くのショートカットとなるほか、大幅な時間短縮が期待されます。
なお新ルートは、今回土砂崩れが起きたエリアの「深層崩壊」の可能性範囲から十分離れていることが、調査でわかっています。
工期は約4~5年です。同事務所は早期復旧のため、設計段階から施工者独自のノウハウを取り入れる発注方式を採用するとしています。
※一部内容を修正しました(10月17日18時20分)。