大宮~都心をむすぶ通勤路線「JR埼京線」に並行して、高速道路と高規格道路が整備されています。どのようなルートで、将来的にどう便利になっていくのでしょうか。
■「さいたま~都心」道路の大動脈って一体どこだ!?
JR埼京線は大宮~赤羽~池袋~大崎をむすぶ36.9kmの通勤路線です。
JR宇都宮線・京浜東北線の西側エリアの輸送を担当し、ともに埼玉県の中心市街地と都心部を直結するため、1日に約70万人が利用する大動脈となっています。
ところで、JR埼京線と同じ大宮~都心方面ネットワークを担う、いわゆるライバル的な「バイパス」「高速道路」はどのようなものがあるのでしょうか。
まず高速道路で見ると、首都高「埼玉大宮線」が、埼京線の西隣に並行しています。
埼玉大宮線は1998年に開通。大宮駅南西の「与野出入口」から南下し、浦和北・浦和西を経由して、美女木JCTで外環道に接続します。現在は与野から埼玉新都心線へ直通し、大宮駅を経て駅東側エリアの「さいたま見沼出入口」までつながっています。
この埼玉大宮線の1日あたり交通量は、美女木JCT付近で約4万6千台。「途中駅」が浦和しか無いとはいえ、郊外路線ではかなりの利用者数を誇る路線です。
埼玉大宮線は美女木JCTで首都高「5号池袋線」へ直通しています。戸田、板橋本町を経て北池袋・東池袋へ到達するため、まさにJR埼京線をトレースするような路線と言えるでしょう。5号池袋線はそのまま、早稲田、飯田橋を経て竹橋JCTで都心環状線に接続します。
さて、JR埼京線は池袋からそのまま新宿、渋谷といった大ターミナルを結んで、山手線最南部の大崎まで到達。そのままお台場方面や新横浜、相鉄線方面へ直通していきます。
この「埼京線都心部」のライバルとなるのは、熊野町JCTで接続する首都高「C2都心環状線」です。山手線の「一回り外側」をなぞるように、西新宿、富ヶ谷、大橋JCT、五反田を経て、大井JCTで首都高湾岸線に接続。そのまま「りんかい線直通」のごとく、湾岸線のお台場を直結しています。
■「さいたま~都心」どころじゃない!もっと「壮大な計画」もある!?
高速道路だけでなく、無料で通行できる高規格道路も、JR埼京線に並行しています。それが、埼玉大宮線の一般道部分である、国道17号「新大宮バイパス」です。
新大宮バイパスはさいたま市北端の吉野町(JR宮原駅北側)から分岐し、JR西側へ抜けてから南下します。都内に入ってから高島平で首都高と別れ、そのまま南下して、練馬北町で国道254号(川越街道)に接続します。
ほとんどが4~8車線で大容量の道路ですが、高島平~川越街道のみ暫定2車線のままで、ボトルネック渋滞が課題となっていて、早期の4車線完成が望まれています。
とはいえ、新大宮バイパスは前後に道路計画が進行中で、さらに広域ネットワークの一部となるポテンシャルを秘めています。
まず北側には、新大宮バイパスの延長線上に「上尾道路」が伸びています。このまま圏央道までつながっていますが、延伸・4車線化工事が順次進められており、将来的には「熊谷バイパス」「上武道路」などを経て前橋・渋川方面まで直結する予定です。
さらにその頭上には、埼玉大宮線の延伸区間として有料道路「新大宮上尾道路」が整備される計画で、すでに一部は着工済みです。並行する鉄道でいえば、JR埼京線が大宮からそのまま高崎線へ直通するようなものです。
いっぽう南側では、川越街道からさらに南下して、平和台で環八通りをアンダーパスし、環七通りまで繋がる予定。「武蔵野病院前」交差点からは要町通りとして、都市計画幅の広い道路が、池袋方面へつながっています。
新大宮バイパス~要町通りをつなぐ新道路&現道拡幅は都市計画道路「放射35・36号線」として事業進行中。
環八までは都市計画幅を確保したまま暫定開通済みで、環八から東側は、まだ用地取得が地道に続けられている状況となっています。