シートベルトには丸いボタンのようなパーツが付いています。普段は気に留めることがないかもしれませんが、このパーツは案外重要な役割を果たしているようです。
■シートベルトの「黒い丸ボタン」の役割とは?
クルマの「シートベルト」をよく見ると、黒くて丸いボタンのようなパーツが付いています。
樹脂製のパーツですが、この部品は地味ながら重要な役割を果たしているのです。一体どういうものなのでしょうか。
このパーツは「タングストッパー(ストッパータング)」と呼ばれており、シートベルトについているT型の金具「タングプレート(タング)」が下まで落ちないようにする役割があります。
もしこのタングストッパーがなければ、シートベルトを着用していない時にタングプレートが床まで落ちてしまい、シートベルトを装着する度にわざわざタングを拾い上げなければならず、手間がかかることになるのです。
タングストッパーは、頻繁に取れたり壊れたりするものではありませんが、樹脂製なので、ドアに挟まれるなど強い力が加わったら割れてしまうことがあります。
実際、タングストッパーが壊れてしまい無くなってもシートベルトの着用は可能ですし運転にも支障はありませんが、いつもタングプレートを拾い上げて着用する手間はストレスを感じるでしょう。
タングストッパーを取り付けるには、ディーラーに修理してもらうか自分で直すかになります。
ネット通販やカー用品店でもタングストッパーは販売されており、メーカー純正のものでも数百円程度と安価な部品です。取り付けるのも難しくないので、自分でチャレンジしてみてもよいでしょう。
シートベルトには他にも「バックル」といった部品があります。バックルはシートベルトが出てくる部分と反対側にあり、タングプレートをはめ込み固定するための大切なものです。
バックルに異物やゴミがつまり壊れてしまうと、バックルがしっかりはまらず、シートベルトが利用できなくなります。
そのまま運転するのは危険なので、もし壊れた際は真っ先に直さなければならない部分です。
ちなみにシートベルトを着用する際は、腰ベルトは骨盤を巻くようにしっかりしめて、肩ベルトは首にかからないようにし、ベルトがたるまないようにしながらバックルの金具を確実に差し込みましょう。
また妊娠中の場合でも腰ベルト・肩ベルトともに、大きくなっている腹部を横切らないようにシートベルト自体はしっかり着用しましょう。
しかし妊娠の状況や体調によってはやむを得ず付けられないこともあるので、着用するのが辛かったり調子がよくない時は医師に相談しましょう。
後部座席に体重50キロの同乗者がいたとして、シートベルトを着用せずに時速40キロで前に衝突した場合は体重の約30倍、つまりこの場合は1.5トンもの衝撃が身体にかかると言われております。
「万が一ぶつかった時は踏ん張れるでしょ」「人が吹っ飛ぶなんてめったにないだろう」と思う方もいるかもしれませんが、いざ踏ん張ったとしても1トン以上の衝撃は自分の力ではどうにもなりません。
2008年からは後部座席もシートベルトの着用が義務づけられており、クルマに乗る乗員は全員が必ず着用するものです。
シートベルトは正しく着用することにより、交通事故に遭った際の被害を軽減することができます。
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シートベルトはそれぞれのパーツに役割があり、快適さや安全のためにどれも欠かせないものです。
故障など気になることがあれば、ディーラーに相談しましょう。