北米最大のカスタムカーショー「SEMAショー」で実車展示された、トヨタのピックアップトラック「タンドラ」の「リムジン仕様」をご存知でしょうか。リムジンというだけあって、別格の豪華さを備えたクルマに仕上がっていました。
■人気の「タンドラ」がリムジン化
アメリカ合衆国のラスベガスにて毎年11月、北米最大のカスタムカーショー「SEMAショー」が開催されます。国内外のさまざまな自動車メーカー・カスタムパーツブランドがカスタムカーを出展する、世界的にも人気のイベントです。
そんなSEMAショーですが、トヨタの北米法人は2015年の開催時に、人気のピックアップトラック「タンドラ」を、驚きの「8ドアリムジン仕様」にカスタムした、タフすぎるクルマを公開していました。
ピックアップトラック「タンドラ」は、初代モデルが2000年に登場。北米市場では「T100」がかつて販売されていましたが、その後継車として誕生しました。現行モデルは、2021年に発表された3代目です。
ボディサイズは全長5933-6414mm×全幅2037-2073mm×全高1969-1981mm、ホイールベースは3700-4180mm。
パワートレインは、最高出力358~389馬力の3.5リッターV型6気筒ツインターボ「i-FORCE」エンジンと、同エンジンにモーターを組み合わせる最高出力437馬力のハイブリッド「i-FORCE MAX」を用意。これに組み合わせるトランスミッションは10速ATで、駆動方式はFRと「マルチテレインセレクト」搭載の4WDが選択可能です。
さて、そんなタンドラですが、2015年のSEMAショーで登場したカスタムモデル「Tundrasine」は、本来ピックアップトラックであるはずのタンドラを、大胆にもリムジン化。豪華内装にゴツさを増したエクステリアで会場を沸かせていました。
ベースとなったのは2代目タンドラで、もともとは全長5814mm×全幅2030mm×全高1925mmでした。
それが「Tundrasine」になると、全長は約4割アップの「8100mm」、ホイールベースに至っては約6割アップの「5991mm」にスケールアップしています。
全長8m越えになったタンドラリムジンは、ドアを8枚備えたVIPお出迎え仕様で、内装も相応の超豪華スタイルに生まれ変わっています。
車内は高級プライベートジェット機のコックピットや乗客用コンパートメントをイメージしたブラウンレザーを採用した機能的で極上のリムジンとなっています。
外装もリムジンらしい高級感をたたえた「ミッドナイトブラックメタリック」の塗装で、ピックアップトラックのイメージを覆しています。
イベント展示にあたって、北米トヨタは「テキサスでは全てが大きいと言われますが、この『タンドラジン』はまさにそのことを実感させてくれます。どこへ行ってもそうです」と談話を発表。
同マーケティングマネージャーは「SEMAは、タンドラを最大限に活用して最高峰に変えるこのコンセプトカーをデビューさせるのに最適なイベントです。これまでにも多くのリムジンを見たことがありますが、『Tundrasine』のようなリムジンはありませんでした」と自信をのぞかせていました。
2015年に突然発表され、会場の内外で話題となった「Tundrasine」ですが、今のところ市販化の話は発表されていません。幻のカスタムモデルが具現化する日はやってくるのか、今後の動向に注目です。