新型スポーツカー「プロジェクトV」の開発に、ヤマハ発動機が参加し、パワートレインや運動制御に同社の技術と知見が導入されると発表されました。
■「ヤマハの技術」をスポーツカーに投入!
2024年10月2日、「ケータハム」ブランドを所有するVTホールディングスは、新型スポーツカー「プロジェクトV」の開発においてヤマハ発動機(以下、ヤマハ)との協業を発表。
パワートレイン主要部となる駆動ユニットの開発をヤマハが担当するほか、運動制御にもヤマハの技術と知見を導入するといいます。
この新型プロジェクトVとは、一体どのようなクルマなのでしょうか。
ケータハムは、イギリスに本拠を置く自動車メーカーです。
1973年に設立され、同じくイギリスのスポーツカーメーカーである「ロータス・カーズ」から「セブン」シリーズというクルマの生産権を引き継ぎ、生産・販売を現在まで続けています。
非常に小規模な経営体制を取っており、従業員の数は全員で100人以下。工場ではクルマ1台につき2名の作業員が手作業で組み立てを行う生産方式で、大手自動車メーカーのような流れ作業式の生産ではありません。
今回、ヤマハと協業での開発が発表された新型プロジェクトVは、そのような特徴を持つケータハムが2025年後半から2026年前半ごろに発売を予定している、電動スポーツクーペ(EV)。
同車は2024年1月に日本で開催された「東京オートサロン2024」および2024年9月にイタリア・トリノで開催された「サロン オート トリノ2024」にも、コンセプトカーの姿ではあるものの公開されました。
特徴的なポイントは、“2+1シーター”という3人乗りレイアウトを基本としたモデルであること。
そして、カーボンファイバーとアルミニウムの複合シャシーを採用しており、1190kgという軽量ボディを実現した、ライトウェイトスポーツカーであることが挙げられます。
そんな新型プロジェクトVのボディサイズは、全長4255mm×全幅1893mm×全高1226mmとコンパクトで、ホイールベースは2581mm。
エクステリアは、大きく盛り上がったフロントおよびリアのフェンダーがレーシーな雰囲気を強調し、大開口のフロントグリルと楕円形のテールレンズがボディ前後に強い印象を与えています。
インテリアには、スマホのミラーリング機能を備えたインフォテインメントシステムが採用され、運転に必要となる主要な情報を表示。
ケータハムは同車の内外装について“シンプルかつミニマルなデザイン”をコンセプトに掲げており、機能性満載のクルマというよりは「走る楽しさに特化したクルマ」に仕上げられるようです。
そのほか走りに直結する部分として、ドライブモードはノーマル/スポーツ/スプリントの3タイプに切り替えが可能。
さらに、取り付け角度や位置を段階的に調節できるダブルウィッシュボーン式サスペンション、電動アシストパワーステアリング、モータースポーツの技術を用いて開発したミシュラン製のフロント19インチ・リア20インチのスポーツタイヤ、高性能キャリパーを組み合わせたディスクブレーキを装備しています。
また気になるパワートレインには、リチウムイオン電池とリアアクスルに搭載したシングルモーターを組み合わせ、最高出力272馬力を発揮。
0-100km/h加速は4.5秒以下、最高速度は230km/h、1回の充電での航続距離は400kmを目指して開発されています。
そして上述のように基本的に3人乗りのレイアウトとなりますが、オプションで“2+2シーター”の4人乗り仕様にすることも可能とのこと。
今後は、クルマやメカトロニクスの研究開発を行う東京R&Dとともに、新型プロジェクトV(プロトタイプ)の開発を進めるといい、2025年央頃に完成する見込みとしています。
価格は8万スターリングポンド(約1550万円)以下を想定し、イギリスにくわえて日本での発売も予定されています。
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ケータハムの従来の主力車種であるセブンシリーズを補完するクルマとして、開発の進められている新型プロジェクトV。
発売予定時期は1年以上先と、まだまだ遠いですが、日本での発売も予定されていることから、早くも多くのクルマ好きからの興味を引いています。