ホンダはインドネシアにて、新型の電動二輪パーソナルコミューター2機種を発表しました。
■充電待ち時間が発生しない「画期的なシステム」とは
ホンダは2024年10月9日、インドネシアにおいて新型の電動二輪パーソナルコミューター2機種を発表しました。
発表されたのは、交換式バッテリーを動力用電源とする新型「CUV e:(シーユーヴィー イー)」と、固定式バッテリーを搭載した「ICON e:(アイコン イー)」の2機種です。
ホンダは、2050年の完全なカーボンニュートラル実現を目指し、まず2040年代における全ての二輪製品におけるカーボンニュートラル実現を目標に掲げています。
そしてさらに「2030年までに30モデル以上の電動二輪を投入する」とも発表しており、今回の2機種はその目標における10、11機種目にあたるモデルです。
この新型CUV e:と新型ICON e:は、ユーザーごとに異なる使い方に合わせるため、交換式バッテリーにくわえて固定式バッテリー搭載モデルも用意し、選択肢を多様化。
両モデルともインドネシア国内での生産を予定していますが、同国を皮切りにグローバルでの展開を予定しており、多様な電動二輪車を世界中の市場に投入することで、2024年を電動グローバル元年にしようとホンダは考えています。
そんな新型CUV e:は、新時代のパーソナルコミューターと位置づけられて開発。
昨年2023年に東京ビックサイトで開催された「ジャパンモビリティショー2023」にて世界初公開となった「SC e:コンセプト」の市販版にあたり、またその車名は、1994年にホンダが初めてリース販売した電動スクーター「CUV ES」を由来としています。
同車は、ホンダの展開する交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」2個を動力源とすることで、ガソリンエンジンに換算して排気量110cc相当のパワーを発揮。
さらに、新型CUV e:に乗っている間にも別の交換式バッテリーを充電しておけば、後でそのバッテリーと交換することで、実質的に充電待ち時間を発生させずに乗り続けることも可能です。
また、ホンダ独自開発の自社製モーターを採用し、磁気回路と構造の最適化によって高効率化を図り、航続距離向上を実現しています。
走行シチュエーションやユーザーの好みに応じて、3つの走行モード(スタンダード、スポーツ、ECON)が選択できるほか、狭い場所での切り返しに便利なリバースモードも搭載。
さらにバイクとスマートフォンをBluetoothで接続することで、通話やナビゲーション機能などを利用することも可能です(タイプ別)。
デザインは、EVらしさを表現したシンプルでスマートなスタイリングとし、一目で新型CUV e:と認識できるアイコニックなフロントコンビネーションライトおよびリアコンビネーションライトを採用しています。
一方で新型ICON e:は、日本で展開されている原付一種相当の電動二輪「EM1:e」をベースに、バッテリーを含む主要電動部品を大幅に刷新。
エクステリアはインドネシア向けに新たなデザインとしたモデルです。、
動力用電源には、中国で普及している三元系リチウムイオンバッテリーを採用し、充電は「車載状態」と「バッテリー単体」の二通りの方法で行うことが可能。
後輪にコンパクトなインホイールモーターを採用し、パワーコントロールユニットによってモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの走行距離は50km以上を実現しました。
シート下には、ヘルメットを収納するスペースのほか、小物の収納が可能なラゲッジボックスを確保。
また、フロント部内側にはフロントインナーラックと、携帯端末の充電にも便利なUSB Type-Aソケットを標準装備。日常生活において使い勝手のよい機能を備えています。
ヘッドライトは凹凸の無いフラッシュサーフェスのシンプルなデザインとし、アイコニックな表情を演出しています。
また灯火器には、夜間走行時の安心感にも貢献する高輝度なLEDを採用。
メーターには、反転液晶表示としたフルデジタルメーターを採用し、スピードメーターや時計に加え、バッテリーの残量表示などさまざまな情報をシンプルに表示することで、優れた視認性を確保しています。
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この新型CUV e:と新型ICON e:の車両価格はまだ発表されておらず、また日本への導入が行われるのかも未定ですが、ホンダは今回の発表と同時に以下のようにコメントしています。
「ホンダは、これからもより多くのお客様のご要望に応えられるように、コミューターをはじめとした電動二輪車のフルラインアップ化への取り組みを加速させ、電動二輪車の多彩なバリエーションを構築していきます」