デジタルクリエイターがかつて公開していた、日産「シルビア」の次期型を想像したCG(レンダリング)について、SNSなどでは様々なコメントが投稿されています。
■「AI生成シルビア」その現実は来るのか
国産スポーツカーのなかでも、特に日産「シルビア」は復活の声が多く寄せられる1台です。
そんなシルビアが、もし最新の日産デザインをまとい登場したらどうなるのか。デジタルクリエイターのautomotive.ai氏はそうした考えのもと、AIに「次期シルビア」を描かせました。これについてSNSでもさまざまなコメントが寄せられています。
シルビアは1965年にデビューしました。2ドアのスタイリッシュなデザインのスペシャリティモデルとして登場し、7世代にわたって展開されました。
なかでも、1988年登場の5代目(S13型)は当時のバブル景気も手伝って、若い男女に「デートカー」として支持されます。
さらに、高性能な4気筒ターボエンジンを搭載しMTの設定も豊富、かつハンドリングに優れる後輪駆動(FR)を採用していたことから、スポーティな走行も可能となっています。
新車から年数が経過しても当時のドリフトブームなどもあって、「クルマを操る楽しみ」を持つ手軽なFRスポーツモデルとして、中古車市場で根強いファンを獲得。
ドリフト競技などでは出場車種の多くがシルビア、もしくはトヨタ「スプリンタートレノ/カローラレビン」となっていたほどでした。
1993年には6代目となるS14型へとフルモデルチェンジを果たすと、ボディサイズを大型化し、3ナンバーサイズとなります。それもあって、こちらは先代ほどの人気は獲得していません。
そして1999年、最終型のS15型へとバトンタッチを果たすと、再びコンパクトな5ナンバーボディへと戻ったことに加え、デートカーとしてのキャラクターからスポーティ路線へと舵を切ります。
大型スポイラーを備える「タイプR」グレードや、刺激的なイエローのボディカラー設定など、スポーツカーとしてS15型以来の人気を獲得。こちらも中古車市場で非常に高い人気を誇っています。
しかし、平成12年排ガス規制などの影響により、2002年に惜しまれつつも生産を終了。たった3年のみの短命モデルでした。
以後、20年以上にわたってシルビアの名称は復活していませんが、シルビアの復活に期待する声は常にあがっており、都度、様々な憶測や出所不明の噂が立っては消えを繰り返しています。
日産も、2013年開催の「東京モーターショー」では、若者向けの2ドアFRクーペのコンセプトカー「IDx」を披露したほか、2021年にはヨーロッパ法人がEV化したシルビアのデザインを公開するなど、度々話題になったこともありましたが、いずれも実現はしていません。
それから再び時間が経過した現在、AIを駆使し「未来のシルビア」を創造できるようになりました。
こうして誕生したのが、デジタルクリエイターのautomotive.aiによる次期シルビア(S16型)のレンダリングです。
計8パターンのレンダリングは、多くの日産車の現行モデルから学習させたもので、最新のテーマである「Vモーショングリル」もインストール。
かつてのシルビアらしいワイド&ローなシルエットは残すものの、全体的にブラッシュアップされ、非常に自然な仕上がりです。
また、そのうちの1つには国産スーパーカーともいえるR35型「GT-R」のような雰囲気を持つものまで存在。多少無理があるものの、多彩なデザイン展開はAIらしいものです。
SNSなどでも、「超カッコいい…」「これは実現してほしいなぁ」など、非常にユニークなデザインを評価するコメントや、「日産さん、シルビア復活させて!」「やっぱり今だからシルビア復活に期待したい」といった応援の声も寄せられています。
もちろんこのレンダリングが実現する可能性は高くはないでしょうが、AIの発展スピードは目まぐるしいものがあり、自動車開発現場においても、こうした技術が採用されることは十分にありえます。
もしかすると、いつの日か登場した次期シルビアには、AIによる設計やデザインなどが取り入れられているのかもしれません。