オープンカーでは、2人乗りや4人乗りのレイアウトが採用されることが多いなか、まるでレーシングカーのような1人乗りのオープンカーも存在します。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■まるでF1カー!? 公道も走れる「Mono」とは?
オープンカーのルーフを開けた時の開放感と、風を切って駆け抜けていく爽快感は、他のクルマでは味わえない魅力です。
大体のオープンカーでは、2人乗りや4人乗りのレイアウトを採用していますが、なかにはまるでレーシングカーのような、1人乗りのオープンカーも存在します。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとはブリックス・オートモーティブ・カンパニー(以下、BAC)が製造・販売している「Mono(モノ)」です。
BACはイギリス・リバプールを拠点とする小規模な自動車メーカーで、2009年の設立以来、独創的なスポーツカーを生み出してきました。
同社が目指すのは、ドライビングの喜びを最大限に引き出すこと。
その理念を具現化したのがMonoです。
最大の特徴は、ドライバー1人のみが乗車するシングルシーターであることです。
通常の2シーターや4シーターのスポーツカーとは一線を画し、純粋にドライビング体験を追求したこの設計は、クルマ好きには堪らない魅力を放っています。
そのエクステリアデザインは、まるでフォーミュラカーのようで、車体の中央に配置されたオープントップの運転席から、サーキット専用車であることをイメージするでしょう。
しかし、このクルマは驚くべきことに一般道でも走行可能です。
見た目はレース専用のマシンのようでありながら、街中でもその性能を発揮できるという点がMonoの特異性を際立たせています。
まさに唯一無二のスポーツカーと言えるでしょう。
Monoは2011年に初めて登場し、10年以上にわたって改良と進化を遂げてきました。
現在のモデルでは空力特性を向上させるために、デザインの微調整が行われ、より洗練されたインテークシステムやリアスポイラーが追加されています。
これにより、高速走行時の安定性がさらに向上し、ドライバーにとっての操作性が一層高まりました。
パワートレインには、最高320馬力・最大トルク31.9kgmの2.5リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載。
これにモータースポーツ用に開発された6速シーケンシャルトランスミッションが組み合わされており、駆動方式はMRを採用しています。
また車両重量はわずか570kgしかなく、その結果、停止状態からわずか2.7秒で時速60マイル(約96キロ)に到達する驚異的な加速性能を誇ります。
このようにMonoは、単なるパフォーマンスカーではなく、ドライバーに対して特別な感覚を提供します。
くわえて、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズオプションも提供しており、まさに自分だけのスポーツカーを作り上げることができます。
自動車市場が電動化や自動運転の方向へと進むなか、Monoのようなクルマは純粋なドライビングの喜びを追求し続ける貴重な存在として、多くのクルマ好きを魅了し続けることでしょう。