ダイハツの3列シートコンパクトミニバン「シグラ」が、インドネシアで爆売れしているようです。どのようなクルマなのでしょうか。
■インドネシア西ジャワ州で「爆売れ」のコンパクトミニバン
ダイハツのインドネシア法人が2024年9月25日（現地時間）、「西ジャワの自動車市場では、ダイハツ シグラが西ジャワ州のLCGC MPV（マルチ・パーパス・ビークル＝多目的車）市場で最大58%の貢献を果たし、独占しています」という発表をしました。
シグラは日本では聞かれない車名ですが、どのようなクルマなのでしょうか。
LCGCとはインドネシア政府による「低コストグリーンカー」（エコカー）政策のことで、シグラはダイハツでは「アイラ」に次いで2車種目となるLCGC適合車となっています。
西ジャワ州は首都ジャカルタに隣接し、北はジャワ海、南はインド洋に面しています。
州都はバンドンで、ジャカルタと並んで例年オートショーが開催される都市でもあります。
また国内で最も多いインフラが整った工業団地を有し、国際港湾や国際空港が近いこともあり、インドネシア国内では、3番目に経済活動が活発な地域となっています。
そんな西ジャワ州で、シグラが大人気となっているようです。
シグラはトヨタとダイハツの共同で開発されたAセグメントプラットフォームを採用したMPV（マルチ・パーパス・ビークル＝多目的車）、つまり日本でいうミニバンです。3列シート・7人乗りレイアウトとなっています。
インドネシアのダイハツの子会社「アストラダイハツモーター」で生産されます。
ボディサイズは4070-4110mm×全幅1655mm×全高1600mmで、トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」より少し小さいサイズです。
なおシグラはトヨタにOEM供給され「カリヤ」の車名で販売されています。
パワートレインは、最高出力88PS・最大トルク11Nmを発生する1.2リッター直列3気筒ガソリンと、同67PS・9.1Nmの1.0リッター直列3気筒ガソリンエンジンの2種類。
トランスミッションは5速MTが基本で、上級グレードに4速AT、駆動方式は全車前輪駆動（FF）の設定となっています。
エクステリアは、五角形のヘッドライトを多角形の大型グリルで挟み込んだ迫力あるデザインで、ボディサイドではフロントからリアに向かって上に向かっていく2本のプレスラインが印象的です。
リアビューは逆L字型のリアコンビネーションランプが特徴的で、全体を通して端正で存在感ある印象でまとめられています。
インテリアでは、視認性の良いメータークラスターからセンターディスプレイまで連続したインパネと、ダイヤル式空調コントロールとギアシフトを並べてセンターディスプレイ下に配置するインパネシフト形式を採用します。
足元空間を広げたことで、前席のサイドウォークスルーを可能としています。
コンパクトミニバンですが、後席スライドドアが一般的な日本のモデルとは異なり、リアはヒンジドアとなっています。
またインドネシアの道路事情を考慮してか、最低地上高が180mmとSUV並みのクリアランスが確保され、迫力ある印象を与えています。
車両価格は、ベースグレードの1億3900万ルピア（約132万円）から最上級グレードの1億8800万ルピア（約169万円）となっています。
シグラの日本市場導入の予定は公表されていませんが、トヨタにおけるシエンタのように、ダイハツのエントリーミニバンとしてラインナップすれば、一定数の販売が見込まれるかもしれません。