日産「マイクラC+C」は、「マーチ」のコンバーチブルモデルとも言えるモデルですが、どのようなクルマだったのでしょうか。
■イギリスで生まれたマーチ、日産「マイクラ C+C」
日産「マイクラC+C」(Nissan Micra C+C)は、日産が製造・販売していたコンパクトカー「マイクラ(日本では「マーチ」)」をベースにしたコンバーチブルモデルである。
このモデルは、ハードトップルーフが開閉できるカブリオレ仕様で、特にヨーロッパ市場を意識して開発されたのだ。
2005年11月に欧州市場に投入され人気を博したマイクラ C+Cの最大の特長は、開放感ある室内空間である。
オープン走行時はもとよりルーフを閉じていても、ウインドシールドからルーフにかけて一体感あるガラス面を採用し、自然の光に溢れた開放的で温かみのある室内空間とした。
欧州のオープンカー製造で定評のあるカルマン社製ガラスルーフを採用し、開放的で温かみのある室内を実現しており、紫外線を約93%カットするガラスの採用による日焼け対策とシェードによる直射日光が緩和されている。
ルーフ開閉は約22秒で、ワンタッチ完全電動オープン機構を採用したスタイリッシュガラスルーフとなる。豊富な収納と大容量トランクも大きなメリットだ。
車内には、モダンな上質さとカジュアルなスポーティさを両立したシートヒーター付本革コンビシートが装備され、スポーティさを演出するメタリックアクセントの効いたブラック内装か、上質なファッション感覚を主張する斬新でおしゃれなアイスブルー内装の2種類が選べた。機能美を備えたホワイトメーター&ドライブコンピューターも装備。
メカニズムでは、1.6リッターのHR16DEエンジンを搭載。スムーズな加速と優れたレスポンスを発揮したスポーティで軽快な走りで、専用設計のサスペンションとボディ剛性の恩恵で快適な乗り心地と優れた走行安定性をもたらしている。
なお日本仕様でも、AT仕様のほか5速MTも選択できた。
英国日産自動車製造会社で生産されたモデルを日本向けに仕様変更し、輸入計画台数1500台で限定販売された。いわば逆輸入車のようなイメージになるだろう。欧州仕様なのでハイオク仕様となる。
マイクラ C+C車名の由来は、MICRA(マイクラ)がMICRO(小さい)の造語。C+Cは「COUPE(クーペ)+CONVERTIBLE(コンバーチブル)」の略ということのようだ。
車高を低く構えたエクステリアは、キャビンからリアへ流れるラインでエレガントスポーティを表現している。ルーフを閉じていても、ハードトップクーペらしいスタイリッシュな外観だ。
ブリーズブルーをはじめとする全5色のボディカラーが用意されていた。
この「マイクラ C+C」は2010年まで発売されていた。現在の中古車マーケットでは、全国で在庫が34台(2024年9月20日時点)見つかった。そもそも限定1500台だったわけだからかなり希少性の高い存在である。
価格は概ね100万円以内で探すことができそうだ。年数も経っているので走行距離が伸びている個体が多いが、この希少なコンパクトオープンカーの存在意義は大きい。
手頃な価格で手に入れて、しっかりメンテナンスしながら大事に使い続けることで、将来の値上がりも期待できるかもしれない。人と被らないこの選択肢は、所有して後悔しない一台となりそうだ。