「北京モーターショー2024」にて、ホンダは中国向けの新たな純電動サブブランド「イェ」シリーズを発表しました。今回ホンダが2024年内に発売を予定している新型「イェS7」の一部スペックが新たに中国政府機関より判明しました。
■ホンダ新型「イェS7」の後輪駆動モデルのスペックが判明、2024年内に発売予定
ホンダが2024年内に中国で発売する予定の新型「イェS7」に関して、後輪駆動モデルの一部スペックが判明しました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
2024年4月に開催された北京モーターショー2024にて、ホンダは新たな純電動サブブランド「イェ(火へんに華)」シリーズを中国市場へ投入すると発表しました。
ホンダはすでに「e:N」シリーズから4車種を展開していますが、「イェ」シリーズはそれと異なる商品群です。
「イェ」シリーズのローンチモデルとして、SUV「イェS7」「イェP7」、そして5ドアクーペ「イェGT コンセプト」の計3車種が同時に公開されました。
そのうち、イェS7とイェP7は車名とデザインの異なる姉妹車となっており、イェS7は東風汽車との合弁会社「東風ホンダ」が、イェP7は広州汽車との「広汽ホンダ」が製造と販売を担当します。
トヨタやホンダなど、中国に複数の合弁会社を持っている自動車メーカーはひとつのモデルに異なるデザインと車名を与え、姉妹車としてそれぞれの合弁会社から販売することが一般的です。
ホンダはこれ以外に、「ライフ/フィット」、「シビック/インテグラ」、「インスパイア/アコード」、「XR-V/ヴェゼル」、「エンヴィクス/クライダー」、「CR-V/ブリーズ」、「UR-V/アヴァンシア」、「エリシオン/オデッセイ」、「e:NP1/e:NS1」、「e:NP2/e:NS2」などをそれぞれ広汽ホンダ/東風ホンダから展開しています。
イェP7とイェS7は骨格となるボディやフレームは同じですが、前後のデザインなどはしっかりと差別化が図られています。
例えば、イェP7では前後灯火類が「コの字」型なのに対し、イェS7では左右を一体化させ、「X」を描く形になっています。
また、フロント下部のグリルもイェP7ではブラック仕上げなのに対し、イェS7ではボディ同色となります。
両者を比較すると、イェS7のほうがより近未来的な雰囲気を感じられます。
そんな中、イェS7の後輪駆動モデルに関する一部スペックが中国政府機関のウェブサイトより判明しました。
この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトです。
工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。
公開された情報によると、イェS7は全長4750mm×全幅1930 mm×全高1625mm、ホイールベースが2930mmです。
ホンダがすでに中国で販売しているヴェゼルベースの「e:NS1/e:NP1」「e:NS2/e:NP2」よりも大きいボディとなります。全幅は1.9メートル超とのことで、中国市場の消費者をターゲットに、広々とした室内空間を特徴としています。
バッテリーは中国の電池製造大手「CATL(寧徳時代)」の三元系リチウムイオン電池を搭載するとのことですが、容量は依然として不明です。
参考までに、現在ホンダが販売する「e:NS2/e:NP2」は容量68.8 kWhで航続距離(CLTC)が510 kmとなるので、これを上回るバッテリーを搭載すると見られます。
イェS7が採用する「e:N Architecture W」は後輪駆動と四輪駆動両方に対応するプラットフォームであることから、イェS7は駆動方式を2種類用意すると見られます。
今回情報が判明したイェS7は出力268 hpの駆動モータを搭載する後輪駆動モデルとなります。
一方で、以前の工信部届出情報では「201 hp」とも記載されていることから、少なくとも後輪駆動グレードでは出力の異なる2モデル展開になると予想できます。
また、もしも四輪駆動モデルも用意されているとなれば、フロントにも駆動モータを搭載し、出力は300 hp超になることでしょう。
ホンダはイェS7を2024年中に発売する予定です。
これに加え、2025年には姉妹車の「イェP7」や、「イェGT コンセプト」の市販モデルも投入するとしています。
「イェ」シリーズ以外にも、東風ホンダ新ブランドのBEV「霊悉 L」や、「e:N」大型SUV「e:N SUV 序」の量産モデルなど、未発表の3モデル含む計10モデルを2027年までに中国に投入する計画です。