長距離バスには、一般の乗客が知らない「謎の小部屋」が設置されていることがあります。その小部屋の場所や用途について、ネット上では多くの反響が集まっています。
■長距離バスにある「謎の小部屋」に反響集まる!
遠方へのお出かけや夜間の移動などで活躍している長距離バスには、一般の乗客が知らない「謎の小部屋」が設置されていることがあります。
その小部屋の場所や用途について、ネット上では多くの反響が集まっています。
夜行バスや長距離バスは安価で便利な移動手段として多くの人に利用されており、トイレ付きの車両やUSB充電設備など、長距離移動に配慮した設備が充実しているのが特徴です。
しかし、乗客が利用できない「特別な部屋」がバスにあることはあまり知られていません。
この部屋は「仮眠室」と呼ばれ、運転手が休息を取るためのスペースです。
バスの後部や車内の下部に設置されていることが多く、夜行バスなど長距離運行時に使用されます。
運転手が2人1組で交代しながら運転を行う際、1人が運転している間、もう1人がこの仮眠室で身体を休めるのです。
一例としてWILLER EXPRESSが運行するバスでは、仮眠室が車両の後部に設置されており、広さは横70cm×縦200cm×高さ100cmと、大人1人が寝るのに十分なスペースがあるといいます。
また、部屋のなかには枕や布団、電源コンセント、読書灯、ドリンクホルダー、エアコンなどが備えられており、運転手が快適に休息できるよう配慮されています。
さらに仮眠室には運転手がすぐに連絡を取れるように受話器が設置されており、緊急時にも対応可能です。
長距離バスでは運転手の交代が法律で定められており、厚生労働省の基準によると夜間運行の場合の運転時間は合計で9時間まで、走行距離は400km以内が原則となっています。
連続運転時間は2時間までとされ、4時間ごとに少なくとも30分の休憩を取る必要があります。
これらの基準は、運転手の居眠り運転が原因で7人が死亡する惨事となった2012年の「関越自動車道高速バス居眠り運転事故」を受け、バス運行の安全性が社会的に注目されるようになったことで改訂されました。
くわえて運転手の労働環境も改善されるきっかけにもなり、十分な休息が取れる体制が整備されるようになったのです。
運転手がしっかりと休息を取ることは、事故を防ぎ、乗客の安全を確保するために極めて重要です。
そんな運転手の健康と安全運転を支える仮眠室ついて、ネット上では「乗客は、命を預けている運転手に快適な空間を提供することに大賛成です」「安全にはかえられないから、しっかり運転手が休める環境づくりは大切」など、運転手が休息できる環境を設けることに好意的な意見が多く寄せられています。
また「元運転手です。エアコンも効いて快適でした」「カプセルホテルみたいに布団もあって寝られるよ」「俺がいた高速バス会社には仮眠室なんてなかったぞ」など、実際にバス運転手だったユーザーからのリアルな声も。
そのほか「時々深夜バスを利用しますがツーマンだと安心。いつも安全運行お疲れ様です」「ドライバーさんすごいですよね」など、長距離バスの運転手に対する労いのコメントも複数見られました。