スズキは「ジャパンモビリティショー ビズウィーク2024」に、一風変わった斬新な「ワゴンR」を出展。これについて担当者に話を聞きました。
■スズキが5人乗り「ワゴンR」実車公開!
2024年10月15日から18日まで幕張メッセで開催の「ジャパンモビリティショービズウィーク2024(以下、JMS2024)」では、スズキが一風変わった「ワゴンR」を出展しました。
これは一体どのようなモデルなのか、話を聞きました。
出展されているそのクルマとは、「ワゴンR CBG車」。
ただし“ワゴンR”とはいっても日本で見られる軽自動車のモデルではなく、インドなど海外向けに展開しているワイドボディ仕様のモデルです。
そして最大の特徴は、車名にも採用されているように、「CBG(圧縮バイオメタンガス)」を燃料に使用して走行することが可能という点。
圧縮バイオメタンガスとは、主にウシのフンを原料として作られるカーボンニュートラル燃料で、インドでは地産地消型のエネルギー源として近年注目されています。
インドでは、信仰されているヒンドゥー教においてウシが神聖な動物とされていることから、現在も街中にたくさんのウシが生息しています。
そしてスズキによると、ウシ10頭が1日に排出するフンで、およそクルマ1台の1日分の燃料を得ることができるとのこと。
また、このCBGの製造過程で生成される副産物は、農業用の有機肥料としても利用できるため、CBGの製造は農場の土壌改質を進めることにも役立つのです。
スズキはインドにおいて2022年からCBG事業をスタートしており、温室効果ガスの排出抑制やエネルギー自給率の向上に加え、農村の所得向上や雇用創出、女性の社会的地位向上といった、さまざまなサスティナビリティへの貢献を図っています。
そして今回JMS2024に出展されたワゴンR CBG車も、スズキがインドで行っているCBG事業の一環となるモデルで、カーボンニュートラルの実現に役立つ環境に優しいクルマなのです。
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このワゴンR CBG車について、JMS2024のスズキブースの担当者に話を聞いたところ、以下のようなコメントがありました。
「スズキはCBGを用いた様々な取り組みをインドで行っており、新しい試みとしては、自動車工場の脇に生えた草を材料にCBGを製造し、これによって工場で使用するエネルギーを担っています。
また、インドに続いて隣国のパキスタンでもインド同様の取り組みをスタートしました」
このように、スズキはCBGの実用化と普及に向けた動きを着々と推し進めているのです。
では日本でも、近い将来にCBG車が展開される可能性はあるのでしょうか。
「日本においてCBG車を広く普及すること簡単なことではないと考えていますが、一方で、牛糞を用いて発電している静岡県の事業者さんと協力しての実証実験など、色々と検討しています。
もちろん展示のワゴンR CBG車がそのまま日本で走るかというと、インド仕様なのでそのままとは行きませんが、今後どのように展開していけるかご期待ください」