2024年9月に世界最大規模のマーケットプレイス「eBay(イーベイ)」に出品されたトヨタ「MR2」が7990スターリングポンド(約154万円)で落札されました。V6エンジンに換装された「MR2」は、どのようなモデルに仕上がっているのでしょうか。
■V6エンジンを搭載した「MR2」
世界最大規模のマーケットプレイス「eBay(イーベイ)」に出品されたのは心臓部にV型6気筒エンジンを搭載したトヨタ「MR2」です。イギリスにて7990スターリングポンド(約154万円)で落札されています。
MR2が、国産初の市販ミッドシップとして初代が誕生したのは1984年のことでした。名前の由来は「Midship Runabout 2seater」の頭文字から名付けられています。2シーターのミッドシップというパッケージは当初から話題と人気を集めていました。
直線的なデザインが大きな特徴だった初代から、1989年にフルモデルチェンジが行われ、流線型のスタイルを持つ2代目へと進化しています。
グレードは直列4気筒の自然吸気(NA)エンジンを搭載した「G」、「G-Limited」と、ターボエンジン搭載の「GT」が用意されました。
1.6リッターだった初代から、2リッターに排気量をアップ。最高出力も3S-GE型で180ps、3S-GTE型で245psに向上しており、初代のスーパーチャージャー搭載モデルの最高出力145psと比較しても大幅に変更されていることが分かります。
ハイパワーとなった2代目のエンジンに対して足回りやブレーキなどが追い付いていかず、扱いにくいピーキーなクルマとして知られていました。
しかし「スポーツABS」のオプション設定を始めとする改良を重ね、ミッドシップスポーツカーとしての地位を確立していきます。
今回出品された「MR2」は1990年モデル。エクステリアで大きく変更しているのは、フロント、リアバンパー、サイドスカートが「Do-Luck」のオリジナルエアロパーツに変更。直線基調のボディになっています。
特徴的なのはヘッドライトで、「ROGUE」の「Revision6 Low Rise Quad Headlamp Conversion」を使用しました。4灯式のヘッドライトで視認性はもとより個性的なデザイン性が人気で、MR2に使用されることが多くあります。
そしてカスタムされたテールライトは6灯となっていて、フロントと同様の丸目を採用し、バランスの良い仕上がりです。
ローダウンされた足元は「SPAX(スパックス)」の車高調を使用。SPAXはイギリスで有名なサスペンションメーカーで、調整可能なテレスコピックダンパーの開発で一躍有名になりました。
ブレーキシステムにはオーガニック材を使用した強化パッドに変更。キャリパーを大型化して足元に存在感を出しています。見えないパーツではあるものの、クルマの減速や停止に必要なブレーキラインを通常のゴム製からステンレススチールなどの素材を編み込んだ素材を使用し、スポーツ走行時の性能向上を図っているようです。
マフラーには「HKS」のステンレススチールを搭載。軽量化と排気干渉を抑えパワーアップに貢献しています。すべてのディテールの美しさにこだわった「Tig]」溶接によってリアスタイルが引き締まり美しさを増しているようです。
インテリアはインパネをアルミ調に変更し、三連メーターを搭載。また内燃機関の燃料と空気の混合度を測定する空燃比計のA/Fセンサーも取り付けられています。A/Fセンサーによって、余分な燃料噴射を防ぎ応答性の向上を図ることができます。
特徴的なのは「Richebrook(リッチブルック)」のアルミ製のギアノブが取り付けられていること。デザイン性だけでなく機能性も重視しているようです。Richebrookはイギリスのパーツメーカーで、シフトノブやカーアクセサリーを販売しています。
エンジンは、同じトヨタのV型6気筒「3VZ-FEエンジン」に換装されています。ちなみに同エンジンはノーマルの状態で排気量3リッターのもので、搭載されていたのはレクサス「ES300」や「セプター」「ウィンダム」が挙げられます。
3VZ-FEエンジンはショートストロークの高回転型エンジンです。低回転域ではトルクの特性が出にくいものの、高回転域では回転数を高めることができるスポーツ志向のエンジンです。
今回は3VZ-EFエンジンをそのまま乗せ換えるだけでは飽き足らず、オーバーホールを行っています。オーバーサイズのピストンを使用していることからも、ボアアップを図っているようです。
またポート研磨も行い、吸排気をスムーズにすることでエンジンの出力向上を図り、エンジンのポテンシャルを引き出しました。
ECUはエンジン制御するコンピューターの書き換えをカスタムし、パワーアップされているようです。