「黄色信号で止まったら急加速してきた車に追突された」そんな質問が、大手質問投稿サイトに投稿され、話題を集めていました。実際どんなことに気を付けるべきなのでしょうか。
■「黄色信号で止まる」ことの是非は?
「黄色信号で止まったら急加速してきた車に追突された」
そんな質問が、大手質問投稿サイトに投稿され、話題を集めていました。回答は175件にものぼり、様々な反響があったようです。
いったいどんな声があり、実際どんな懸念点があるのでしょうか。
投稿者によると、交差点で前の信号が黄色になったため、ブレーキを踏んで停止したところ、後ろから追突されたそうです。
ムチ打ちの痛みのなか、追突した側の40代くらいの運転手は、こう怒鳴って来たそうです。
「なんで止まった?速度上げれば通過出来ただろ運転ヘタクソが!」
投稿者はあまりの理解不能さに「放心状態」になったといい、「黄色信号は止まれが常識ではないのでしょうか?」と同感を求めています。
多数寄せられた回答では、「貴女が悪いとは思いません」「非常識な加害者ですが毅然とした対応で頑張って」「脅せばチャラになるとでも思ったんじゃないでしょうか」「車間距離とらないからぶつかるんだよ」と、投稿者に味方する声が見られます。
いっぽうで「真後ろの車の有無や接近する速度を確認しなかった貴女も、後方に注意が向いていなかったと言える」などの意見もあり、互いに議論が白熱している光景もありました。
■悪いのはどっち? 法律はどう判断するのか
では、実際こういったケースに遭遇したら、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。
まず黄信号の意味は「注意」だと覚えている人が多くいそうですが、実際の道路交通法では「原則、止まれ」というものです。
具体的には、道路交通法施行令 第2条「黄色の灯火」で「車両及び路面電車は停止位置を越えて進行してはならないこと」とはっきり書かれているのです。
ただし、目の前で信号が青色から黄色に変わって、「あっ!黄色になった!黄色は止まれ!」と急ブレーキをかけて、追突事故を引き起こす場合があります。
そのため、同条では補足で「停止線を越えていたり、停止線で安全に止まれないときなどは、進むことができる」と書かれています。
この「安全に止まれないとき」というのが難しく、追突事故が起きた場合に、追突した側は「安全でないから止まらず行くべきだっただろ!」と主張し、追突された側は「車間距離を十分取っていればそもそも追突しなかっただろ!」と主張し、意見が衝突することがあります。
法律というのは「こっちが悪!こっちが正しい!」と断じるものだけはなく、意見が相反したときに、その過失度合いを図るものでもあります。
もし先述の「行くべきだった」「車間距離取ればいいだけ」の両主張が並び立つと判断されれば、過失割合は50対50になりますし、どちらかの過失が重くなる場合もあります。あくまで警察の現場検証などをもとに、個々の案件によって“裁定”が大きく変わることに、留意しておきましょう。
先述の質問に対する回答でも、まさに「行くべきだった」「車間距離取ればいいだけ」の両サイドが火花を散らしていましたが、それぞれ有利な現場状況だったと「仮定」した上での主張なので、まったく不毛な議論と言えるでしょう。
ちなみに今回のケースでは、投稿者は後日補足の説明を記載し、こちら側の過失はゼロと認められたとしています。目撃者の証言やドラレコのデータ、状況証拠などを判断し、追突した側に完全な非があったという判断になったのでしょう。