クルマのナンバープレートの右上にある分類番号に「アルファベット」が割り振られているケースがあります。これにはどんな理由があるのでしょうか。また左下に「Y」「よ」など、アルファベットが用いられているケースについても見ていきます。
■街中で見かける「アルファベットナンバー」どんな意味?
最近、アルファベットが書かれたクルマのナンバープレートを見かけることがあります。
これまでのナンバーと何か違うのでしょうか。
ナンバープレートには、地名や一連指定番号などさまざまな情報が書かれていますが、そのなかでアルファベットは右上の「分類番号」に導入されています。
分類番号は、地名と並んで表示される3桁の数字で、個別の車両を識別する情報のひとつであるほか、その車両の用途や車種が判別できる要素でもあります。
導入当初は1桁からはじまり、クルマの台数が増えたことにより2桁の時代を経て、1998年以降、「品川300」のように順次3桁化されました。
アルファベットの導入は、ナンバーの下4桁を選べる希望ナンバー制度の開始などの影響から、人気の数字では分類番号が進み、枯渇している状況にあることから、これまで数字のみであった分類番号にアルファベットを使用することとなりました。
アルファベット導入で選ばれたのは「A、C、F、H、K、L、M、P、X、Y」の10種類です。
この10種類が選ばれた理由について、過去に国土交通省の担当者は以下のように話しています。
「視認性が考慮されており、例えば『Bは8と誤解しやすい』などから省いたなどの意見があったと記憶しています。
また検討した際に内部の用途として用いているものを避け、この10種類となりました」
アルファベットが使用されるのは、分類番号のうち2桁目と3桁目で、原則「0A」から使用開始されることになっており、すでに「30A」や「50A」などの分類番号が使用され始めています。
アルファベットの順番に「0A」「0C」と使われていき、「Y」まで使い切った場合、次は2桁目のみがアルファベットとなる「A0」の形式で「Y9」まで使用され、その後に2・3桁目ともアルファベットとなる「AA」から「YY」が使用される予定だといいます。
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アルファベットナンバーは、ナンバーの交付状況によって決まるものであり、アルファベットの有無や種類を選択することはできません。
ただ、希望ナンバーのなかで特に人気の数字を選んだ場合は、従来の分類番号の数字を使い切り、アルファベットが用いられたナンバーが交付される可能性があります。
アルファベットナンバーは、全国で順次導入されているため、今後見かける機会が増えていくかもしれません。
■沖縄でよく見かける!? 「Yナンバー」の正体とは
ナンバープレートには、上記で紹介した分類番号のほか、左下に「ひらがな」が表示されています。
このひらがなのなかに「Y」や「よ」が表記されているクルマが存在します。これはどういったクルマが該当するのでしょうか。
ナンバープレートの左下に記載されるひらがなは、主に車両の振り分けとして用いられています。
そのなかで「Y」が用いられている場合があり、これは駐日アメリカ軍の関係車両が主に用いているナンバーを指します。
「Y」のほかにも、駐日アメリカ軍の軍人と家族の私有車が使用できるアルファベットは「E、H、K、M、T、よ」と決められています。
用いられるアルファベットごとに意味が異なり、例えばアメリカ軍の軍人、その家族が貨物船などでクルマを輸入した場合には、輸入されたクルマが免税対象になることがあります。
そうした車両には「E、H、K、M」が交付されることが記載され、交付は「E」から順番に割り振られます。
免税車などは多くはないようで、街中で目にするナンバーは必然的に「Y」が基本となっているようです。
また「よ」は、駐日アメリカ軍の軍人と家族の私有車が使用できる、唯一のひらがなとなっています。
さらに「T」のクルマの割り振りについて、過去に国土交通省の担当者は、「道路交通条約の締約国ではないドイツなどのクルマが一時的に輸入されて、向こうの国へ返されるクルマにつけられます」と説明しています。
担当者も「めったにない」と語っており、見かけることはほとんどないといえます。