2024年11月5日から8日までアメリカでカスタムカーの祭典「SEMA SHOW 2024」が開催予定ですが、2016年に行われた「SEMAショー2016」には、「ランドスピードクルーザー」が出品されていました。どのようなモデルなのでしょうか。
■速すぎランドクルーザー!?
トヨタ「ランドクルーザー」といえば、言わずと知れた日本が世界に誇るトップオフローダーであり、高い悪路走破性はもちろんのこと、圧倒的な信頼性も兼ね備えたモデルであり、近年のものではそこに高級感や快適性も兼ね備えた全方位抜かりなしのモデルとなっています。
そんなランドクルーザーに唯一、足りないものがあるとすれば、それは圧倒的なパワーではないでしょうか。もちろん高速道路などを優雅にドライブするには必要十分なパワーを擁していることは間違いありませんが、スポーツカーのような圧倒的な加速感を得るまでに至らないというのが正直なところです。
そのようなランドクルーザー唯一(?)の弱点を補ったのが、2016年のSEMAショーでお披露目となった「ランドスピードクルーザー」です。
このモデルは米国トヨタが手掛けたモデルで、当時の最新モデルであったランドクルーザー(200系)の後期型をベースとしたもの。
外観はほぼ純正状態をキープしていますが、SUVとは思えないほど落とされた車高と、車内にチラリと見える本格的なロールケージがタダモノではない雰囲気を醸し出しています。
搭載されるエンジンは、5.7リッターの排気量を持つV型8気筒DOHC (3UR-FE型)で、日本仕様には搭載されていませんでしたが、北米仕様には標準で搭載されていたものとなります。
このエンジンをベースにバレーボールサイズと評されるギャレット製の大径ターボチャージャーを組み合わせ、エンジン本体はブロックとヘッドガスケット以外は強大なパワーに耐えることができるものへと置き換えられ、なんと2000馬力というまさにケタ違いのビッグパワーを手にしているのでした。
そしてトランスミッションは標準の8速オートマチックから、ドラッグレース用の大パワーに対応したオーバードライブ付の3速オートマチックに置き換えられ、ランドクルーザーのアイデンティティでもある4WDシステムを潔く投げ捨てて後輪駆動化されています。
ここまでのハードなチューニングがなされているにもかかわらず、目立った軽量化は行われておらず、ドライバーや燃料などを搭載した状態での車両重量はおよそ2.7トンと重量級であることは変わりありません。
しかし2017年には実際に速度記録に挑戦し、時速230.02マイル(約370km/h)というトップスピードをマークし、世界最速のSUVという称号を手にしたのでした。