日産は日本で「キックス」を展開していますが、海外ではより小さくて安いコンパクトSUVが存在しています。2024年10月にマイナーチェンジも果たした日産の「最小・最安級SUV」とは、一体どのようなクルマなのでしょうか。
■ニッサンの最小・最安級のコンパクトSUVとは?
コンパクトSUVという類で日産は「キックス」を日本で販売しており、日本自動車販売協会連合会が発表した2024年上半期の「新車統計データ 乗用車ブランド通称名別順位」でも35位にランクインするなど、一定の支持を得ています。
しかし海外では、日本で販売されていない車種も展開されており、なかにはキックスよりも小さくて安いコンパクトSUVが存在します。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは「マグナイト」です。
マグナイトは、2020年10月にインド市場とインドネシア市場でデビューしたコンパクトSUVです。
特にインド市場においては、2021年から3年連続で年間販売台数3万台超を誇り、2024年5月に累計10万台を達成するなど、人気を博しています。
直近では2024年10月にマイナーチェンジを果たし、内外装がアップデートされました。
最新のマイナーチェンジモデルに関して、ボディサイズは全長3994mm×全幅1758mm×全高1572mmと、日産のラインナップのなかでは最も小さいSUVとなり、トヨタが現在日本で展開しているコンパクトSUV「ライズ」(全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm)とほぼ同じサイズ感です。
これにより、マグナイトは日産SUVのエントリーモデルとして位置づけられています。
エクステリアは日産の最新デザイン言語である「Vモーショングリル」ではなく、大型のグリルが採用。
特に、ブラックアウトされたホイールアーチモールや、フロント/リアバンパー下の意匠、ルーフ レールは、SUVらしいタフなイメージを高めています。
インテリアは、コンパクトSUVでありながら高い質感を備えており、デジタル TFTディスプレイ、ワイヤレス Apple CarPlayとAndroid Autoによるシームレスなスマートフォン連携、ワイヤレススマートフォンチャージャーのほか、4色に変更できるアンビエントライトや後部座席にはUSBポートとエアベントも搭載。
またシートレイアウトは前2人乗り、後ろ3人乗りの最大5人乗車が可能となっており、運転席と助手席の空間が広くとられ、ゆったりとした室内空間を実現しています。
パワートレインには、最高出力72馬力・最大トルク96Nmを発揮する1.0リッター直列3気筒エンジンもしくは、最高出力100馬力・最大トルク160Nmを発揮する1.0リッター直列3気筒ターボエンジンを設定。
トランスミッションは5速MTのほか、CVT(ターボモデルのみ)や5速AMT(ノンターボモデルのみ)が選択可能です。
駆動方式はFFのみですが、205mmという最低地上高と16インチタイヤにより、日常の走行には十分な性能を発揮します。
グレードは「VISIA」、「VISIA+」、「ACENTA」、「N-CONNECTA」、「TEKNA」、「TEKNA+」の6グレード展開となっており、価格は59万9900ルピー(約106万5700円)から91万ルピー(約161万7900円)とリーズナブルな価格設定も大きな魅力です。
ただし、インド仕様のマグナイトには先進的な安全装備が不足しているため、日本市場に導入する場合は、安全基準に適合するための装備追加が不可欠です。
これによりコストは上がるかもしれませんが、200万円前後の価格で提供できれば、日本でも十分に人気を集める可能性があるかもしれません。