最近の商業施設では、発券機やゲートがないコインパーキングが増えています。いわゆる「チケットなし駐車場」ですが、料金の未払いは発生しないのでしょうか。
■「チケットなし駐車場」の未払い率がスゴい!
最近の商業施設の駐車場では、ゲートのバーがなく、スムーズに入出庫できるコインパーキングが増えています。
「チケットなし駐車場」などと呼ばれますが、「料金未払い」は発生しないのでしょうか。
チケットなし駐車場とは、出入り口に設置されたカメラによって利用車のナンバーの全桁をリアルタイムで読み取り、入出庫をデジタル管理。出庫前に精算機や専用アプリで駐車料金の支払いを済ませることで、スムーズに入出庫できる駐車システムです。
ゲートもチケットもなく、駐車場からの入出庫が自由となっていることから、料金を払わないで出ることも理論上は可能です。
「スマートパーク」の名称でチケットなし駐車場を運営するピットデザイン株式会社の池末社長にその実態を聞いてみました。
「料金未払いがたくさん出るのではないかとご心配いただきますが、実際には、未払い率は『未払い共有』(後述)の施設では0.01%、そうでない通常の施設でも0.2%未満となっており、一般的なロック板式の0.5%、ゲート式の0.7~0.8%という未払い率と比較しても未払いは少ないです。
このシステム導入により、ご利用者様が常にスムーズに入出庫でき、場内渋滞などが発生しないようになったとご好評をいただいております」
チケットなし駐車場での未払い件数は、一般的なロック板式や、出庫前に精算機で支払うゲート式よりも遥かに少ないとのこと。いかにも真面目な日本人向けのシステムなことが分かります。
では、チケットなし駐車場でうっかり支払い忘れた場合は、どうしたらいいのでしょうか。
「システムがよくわからないまま未払い出庫をしてしまったり、また慣れていてもうっかり支払いを忘れてしまったりすることもあるでしょう。
精算機で『過去の未払い』という項目があり、内容を確認したうえで当日の駐車料金とともにお支払いできるようになっています」(ピットデザイン 池末社長)
コールセンターなどにこちらから連絡する必要もなく、未払い分も後日精算することができるのは非常に便利かつ効率的。うっかりミスもカバーしてもらえるのは助かります。
またピットデザインが運営するスマートパークでは、未払い情報をほかのスマートパークを採用している駐車場間でデータ共有しており、駐車したのとは別のスマートパーク駐車場でも精算できる仕組みを採用しているといいます(共有化に参加している駐車場のみ)。
さらに今後は、未払いをインターネットで確認、精算できるサービスをリリースする予定だそうです。
チケットなし駐車場が増えスムーズに出入庫できるようになったとはいえ、施設やイベントによっては精算機に人が並ぶこともあるでしょう。
そんな煩わしさを解消するため、スマートパークには専用アプリも装備。施設のサービス券も使えるうえにキャッシュレス決済にも対応し、事前に自分のクルマをアプリに登録しておけば、利用状況も確認できるといいます。
ナンバープレートの認識失敗率が他社よりも少ないということもあり、クルマの入出庫が多く場内渋滞が起きやすい大型商業施設のほか、空港や駅、公共施設に加え、病院などの医療機関でも導入が増えてきているとのこと。
「入出庫時に機器にぶつけないように慎重に運転しなければならない、発券機に手が届かない、雨が降っているときに窓を開けなければならないなどの不具合や出口渋滞による時間のロスなどの解消を考え、作ったシステムです。
場内渋滞や安全確認以外での停止が不要なので、アイドリングや再加速での二酸化炭素排出の抑制効果があり、駐車券を発券しないことで資源の節約も実現しました」(ピットデザイン 池末社長)
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チケットなし駐車場の未払い率が極端に少ないことに驚きましたが、それほど便利で日本人の気質にあった駐車システムといえます。
今後はさらなる導入とスマホと連携したキャッシュレス決済化が進むと予想され、より便利に駐車場が利用できそうです。