ダイハツは、かつて「DN PRO CARGO(ディーエヌプロカーゴ)」という「軽商用バン」のコンセプトカーを公開しています。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■ダイハツの最強「軽商用バン」とは!
ダイハツは、2017年に開催された「第45回東京モーターショー」にて、いま見ても魅力的な「軽商用バン」のコンセプトカーを出展しました。
一体どのようなクルマだったのか、詳しく紹介します。
そのクルマとは「DNプロカーゴ」。
車名の通り、同車はビジネスユースを想定した軽商用バンですが、それのみならず様々な用途において活躍する「スーパーハイトールワゴン」に仕上がっていました。
DNプロカーゴは、1957年に発売された軽自動車規格の3輪自動車「ミゼット」のコンセプトを継承しており、ミゼットが持っていた使い勝手の良さと高い拡張性にくわえ、軽商用車ならではの便利さも持ち合わせた、まったく新しい商用電気自動車と説明されていました。
特徴としては、女性や高齢者でも乗り降りしやすい低床フラットフロアを採用。
立って移動することが可能な、1600mmもの室内高による大空間と、用途に合わせて変化させられるラゲッジスペースを実現しています。
これは高齢化や女性の社会進出が進む昨今の日本の現状を見据えたもので、地域を問わずさまざまな業種で、幅広いユーザーの仕事のパートナーになることを想定して開発されました。
そんなDNプロカーゴのボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1995mm。
先述の通り、軽自動車規格に収まる大きさでありながら、圧倒的に高い全高が目を惹きます。
エクステリアは、車内の広さを確保するための真四角のボディに、ミゼットを意識したパステルグリーンのカラーを採用。
またスケルトン素材を活用したサイドドアや可愛らしいヘッドライト、フロントバンパー周りのデザインが特徴的です。
ホイールは、ボディのユニークなカラーリングが際立つ、お洒落なディスクタイプ。
商用車としての利便性を高めるための幅広いリアドアは、ルックスの面でも華を添えています。
インテリアは、ハンドルやインストルメントパネル周りなどの運転席スペースに、色とりどりのパステルカラーを採用。
色使いが明るいことにより、車内空間全体からポップで明るい雰囲気を醸し出しています。
いっぽう、インテリアの最大の特徴は、先述のように「用途に合わせて変化させられるラゲッジスペース」で、ラゲッジスペース内に「マルチユニットシステム」と呼ばれる部分を設けており、目的に合わせてカートリッジのように交換が可能であること。
たとえばモニターなどの医療機器を設置すれば、医療用のクルマとして街の人たちの健康相談や診察に用いることが可能で、医師不足に悩む過疎地域での地域医療にも貢献できます。
さらに介護・福祉事業に適するユニットシステムに交換すれば、リフターを利用して車いすをスムーズに乗車させることも可能。車内には車いすを2台まで乗せられます。
もちろん、かつてのミゼットのように商品を送り届ける宅配業や配送業者が利用できるようなユニットも用意され、車内には荷崩れを防ぐための固定パーツも用意。
そのほか、移動販売車やネイルサロン、移動図書館、ペット用のトリミングサロンなど、さまざまな業種での利用が可能となっています。
※ ※ ※
このように、地域を問わずさまざまな業種で、幅広いユーザーの仕事のパートナーになることを想定して誕生した、DNプロカーゴ。
現在のところ同車がそのまま市販化される様子はありませんが、ただのコンセプトカーでは終わって欲しくないほどに商用車としての機能が充実しており、車内空間の広さだけでなく多様な使い方ができるよう具体的なアイデアを詰め込んで開発された、魅力的なコンセプトカーでした。