トヨタは、2015年に開催された「第44回東京モーターショー」にて、「FCV PLUS(エフシーブイプラス)」というコンセプトカーを出展しました。どのようなクルマなのでしょうか。
■トヨタ「FCV PLUS(エフシーブイプラス)」ってどんなクルマ?
トヨタは、2015年に開催された「第44回東京モーターショー」にて、「FCV PLUS(エフシーブイプラス)」というコンセプトカーを出展しました。
FCVプラスは、トヨタが開発した燃料電池自動車(FCEV)のコンセプトカーです。
トヨタはこのクルマについて「水素エネルギーが普及したサステイナブルな社会。そこでは、様々な一次エネルギーからクリーンに水素が生成され、エネルギーの地産地消が広がる。燃料電池自動車(FCV)は、単に移動するためにエネルギーを消費するだけではなく、社会に分散する電源ともなる新たな役割を担う。エコカーからエネカーへ、もっとクルマが愛される存在になる将来の燃料電池自動車コンセプト」としています。
水素を燃料にして走るのはもちろんのこと、発電した電気をワイヤレス給電システムによってインフラに供給することも可能。自宅の電源として使えるほか、隣に駐車している電気自動車に送電することもできます。
クルマの寿命が来たあとは、水素から発生した電気をクルマに供給するためのモジュールである「FCスタック」を、発電装置として再利用することも可能です。
FCスタックはフロントタイヤの間に設置され、水素をためておくタンクはリアシートの後ろに設置。
車体を動かすモーターが1ヶ所ではなく、4つのホイール部分それぞれに設置することで、モーターからの動力を伝達する機材を省略することができ、車内空間を広くすることに成功しました。
上記のような、機能部品を車両の前後に集約する次世代FCVパッケージにより、最適な重量バランスとともに広い視界を確保しているのも特長です。
ボディサイズは、全長3800mm×全幅1750mm×全高1540mm、ホイールベースは3000mm。
エクステリアは、空気の整流効果を考えた特徴的な形状で、ブルーのガラスが目を引く未来のクルマらしいデザインです。
インテリアは、軽さと剛性を両立する三次元立体骨格構造を採用することで、先進性とすぐれた環境性能をイメージさせるデザイン。画像を見る限り、乗車定員は4名です。
展示されたクルマのボディカラーはホワイト。
出展から約9年が経過していますが、2030年ごろの燃料電池自動車の在りかたをイメージして作られたクルマであるため、当然ながらまだ市販には至っていません。
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ただ走るだけではなく、発電機や給電機としても活躍することを想定して作られた、FCVプラス。
トヨタの燃料電池自動車では現在「ミライ」というクルマが市販されており、別売りの外部給電機と車体を接続することで自宅への電力供給が可能であるなど、2030年に向けて着々と技術が進歩しています。
水素ステーションが少ないことや、価格の高さから、まだまだ燃料電池自動車はメジャーとはいえませんが、FCVプラスのようなクルマが当たり前になる時代も、遠からずやってくるのでしょう。