EVジェネシスは2024年10月22日、災害時の救援活動に特化した世界初の新型「電動トライク」を開発しました。一体どのような特徴を持つ車両なのでしょうか。
■超すごい「新型トライク」初公開!
2024年10月22日、ソーラーパネルを搭載した充電不要の小型EVモビリティを開発しているEVジェネシス(東京都渋谷区)は、新たに、災害時の救援活動に特化した新型「電動トライク」を開発したと発表しました。
EVジェネシスはこれまで、ルーフ部分にペロブスカイトソーラーパネルを搭載することで、充電不要で走行可能なトライクタイプの小型EVモビリティを開発してきました。
同車は、1日分の発電で約25km~30kmの走行可能距離を想定しており、また車両登録が「側車付軽二輪車」のため、普通自動車免許で運転できます。
また大人3人が乗車可能で、法的にはヘルメットの装着義務は無く、車検や車庫証明も不要なうえ、家庭用の100Vコンセントで充電できるという、使い勝手に優れた数多くの特徴を有しています。
そんなモデルの早期実用化を目指すEVジェネシスが、今回新たに発表したのが、災害による停電時に孤立集落へ電気を届けるための、小型EV電配車です。
近年の日本は、台風被害や集中豪雨、地震などが頻発しており、長期にわたる避難生活でのQOL(生活の質)の低下が懸念されています。
この課題を解決する手段の1つとしてEVジェネシスは、一般車両やトラックの通行が困難な山間部の集落でも活躍できる、小型EV電配車を新開発しました。
同車に搭載されている自社開発のバッテリーには、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用。
また、走行用と電配用の2種類のバッテリーを完全に分けて使用する事により、より多くの電力を被災地に届けることが可能だといいます。
この走行用バッテリー(容量:64V/75Ah/4.8kWh)は、一度充電すれば150km走行し、さらに車内でスポットクーラーや家電製品を使用することもできます。
そして電配用バッテリー(容量:64V/90Ah/5.8kWh)は、少しでも多くの電気を被災地に届けるため、走行用のものよりも容量を1.2倍に拡大。
小型EV電配車には、この電配用バッテリーを3台まで積載することが可能です。
この電配用バッテリーは、1台でスマートフォンが600台分充電でき、さらに電気ポットやスポットクーラー、冬場の電気毛布など様々な電気機器へ電力を供給します。
そのほか、これまでもソーラーパネルの搭載を得意としてきたEVジェネシスならではの強みとして、この小型EV電配車は電気の地産地消を目指しています。
ルーフのペロブスカイトソーラーパネルが発電した電力を蓄電池に貯め、被災地での電気機器のバッテリー切れの不安を解消することで、避難生活における安心を提供。
また、オプションのノーパンクタイヤや特殊カーテンを装着することで、より災害に特化の車両へと変化させることも想定されています。
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EVジェネシスは、今回の小型EV電配車の開発にくわえて、次世代モーターを使用した1人乗りの「EVジャイロコプター」の開発にも着手したことを発表。
社会に貢献できるモビリティを目指し、また新たなモビリティの可能性を追求することで、未来の移動手段としての実現を目指していくということです。