「駐車場の大型トラック専用スペースに乗用車が停まっていました。その前にトラックを停める行為は大人げないですか?」そんな質問が、ネット上で話題になっています。どんな声があるのでしょうか。
■トラック運転手の「抗議行動」にさまざまな意見が
「駐車場の大型トラック専用スペースに、乗用車が停まっていたので、その前にトラックを停めてやりました。すると乗用車の持ち主の夫婦は怒り出しました。私は大人げないですか?」
そんな質問が、大手質問投稿サイトに投稿され、話題を集めています。投稿から1週間が経った10月22日時点で回答は22件にものぼり、様々な反響があったようです。
いったいどんな声があり、実際どんな懸念点があるのでしょうか。
投稿者によると、現場は高速道路のサービスエリアで、乗用車の前にトラックを停めていたところ、持ち主の夫婦がやってきて「どいてください」と言ったそうです。
投稿者は「大型トラックの駐車場に止めただけなので、今から30分の休憩しないといけないので、待ってて下さい」と返答。すると夫婦は怒りはじめました。
しかし投稿者は「そもそも大型トラックは止めるところが少ないので、私はなぜ悪いのか分かりません」としてその場をどきませんでした。
そこへ、サービスエリアのスタッフが呼ばれてきました。スタッフの判断は「今回はこのような事がありましたがどいてもらいたい」と投稿者に言ったといいます。
納得がいかない投稿者は「わざわざ大型専用の駐車場に止めた夫婦が、悪いと思いますけど私が大人気ないのですかね?」と、今回質問し、同感を求めたといいます。
回答では、大型トラック専用だと決まっているのに、ルール無視で乗用車を停めたという夫婦の態度に問題があるとして、投稿者に同調する声が多数。
「あなたは大人の対応をしたと感じます。非常識な人にプロのドライバーさんは積極的に指導してください」「貴方は妥当な判断だと思います!夫婦が反省&学習すれば良いことです」「今回のように大型専用駐車場に無頓着に一般車両を止めるような輩には、少しぐらい痛い思いをさせないと理解できないし、そもそも非常識でしょう」という声が上がっています。
■全国で見られる「トラック停められない問題」
トラック業界の労働環境是正が叫ばれ、国も「働き方改革」へ法改正など進めるのに合わせ、どうしても足りない高速道路のトラック休憩場所を確保するため、高速道路会社もSA・PAの「大型車駐車マス」の拡充を進めています。
NEXCO3社の発表によると、2023年度には49か所で計625台分が増加。さらに2024年度も、34か所で計557台分の増加を予定しています。
とはいえ、せっかく作っても、乗用車が我が物顔でふさいでいては、トラックにとって何の意味もありません。そのため、たとえばNEXCO西日本は「駐車場でのマナーについて」というページで、大型車マスや障がい者用駐車スペースは空け、バス優先(専用)マスの利用は控えるよう呼びかけています。
また、土休日にトラックが少なくなる背景から、「トラック専用」にせずに「兼用マス」という運用を行うSA・PAもあります。これは1マスに「トラック1台分、もしくは乗用車2台分」が停められるスペースです。
この兼用マスでは「乗用車2台が1マスに縦列すればいいのに、乗用車1台ずつ2マス使っている」という状況が多発し、トラックが停められない問題も起きているのが実情です。
先述の質問への回答では「一般道では大型車が駐車できる場所が少ないため、SAやPAで時間調整を行うトラックが多い。また、2024年問題で4時間運転すると30分の休憩をとる規制がある」としたうえで、「大型車の駐車スペースは常に満車でトイレに行きたくても止められない、停めないと運転規制に引っかかる、運転手にとって死活問題と知り合いの運転手は嘆いています」という悲痛な声もあります。
そのいっぽうで、トラックで前をふさいで出られないようにする「報復行動」に対しては、「あなたが転がしてるのは、個人のマイカーではなく会社の看板を背負った車です。対応が拙いと会社の看板に泥を塗ることになりますよ」と忠告する声が。
そのうえで有効な解決策として「仲裁してくれる第三者を入れるほうが賢明ですね。それも、あなたのほうがサービスエリアの職員を呼ぶなど、先手を打つべきでした」というアドバイスも見られました。