軽の人気ランキング上位に位置するスズキの軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」。根強い支持を集める理由はどこにあるのでしょうか。
■後席が「めちゃスゴイ」!
スズキの軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」の人気が高まっているなか、2024年9月20日には新型「スペーシア ギア」が追加され、ラインナップを拡大したことでますます注目されています。
そんなスペーシアが支持を集める理由について探りました。
スペーシアはスズキが販売する「軽スーパーハイトワゴン」というタイプの軽自動車で、2023年11月にフルモデルチェンジされ3代目となりました。
軽自動車の中でも近年はスーパーハイトワゴンタイプの人気が高く、スペーシア以外にもホンダの「N-BOX」やダイハツの「タント」など競合の多いジャンルです。
全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の発表する販売台数によると、2024年年度上半期(4月から9月)にスペーシアは8万179台を販売。1位のN-BOX(10万2226台)には及びませんが、第2位に位置しています。
また単月では2024年5月に1万5160台を記録し、同月のN-BOX(1万4582台)を上回り1位となった月もあり、好調な売れ行きを示していることがわかります。
3代目スペーシアが人気を集める理由のひとつが内装・インテリアの充実です。
9インチの大型ナビのほか、メーターパネルには4.2インチのカラーディスプレイが採用され、走行速度など運転中に必要な情報がわかりやすく表示されています。
助手席ではインパネ部分にスマホもフラットに置けるビッグオープントレーが設けられており、その下にはボックスティッシュも収納できるインパネボックスなど、収納が充実しています。
なかでも特筆すべきは、後部座席の足元に設けられた「マルチユースフラップ」です。
休憩時のリラックスに使えるオットマンモードのほか、走行中の姿勢をサポートするレッグサポートモード、座席に置いた荷物の落下を防止する荷物ストッパーモードなど、活用方法は多様です。
他にも、後部座席までエアコンの風を送ることができる「スリムサーキュレーター」や、上位グレードで採用されている「本革巻ステアリングホイール」や「本革巻シフトノブ」など、充実した装備が搭載されています。
関西圏郊外のスズキディーラーの営業マンは、次のように説明します。
「スズキでは軽自動車を多くラインナップしていますが、背が高くスライドドアのスペーシアはファミリーのお客さまから特に人気があります。
N-BOXと比較されることが多く、先にホンダでN-BOXを見てきた、あるいはこれから見に行くというお客様も多くおられます。
他メーカーの競合車種と比較した上でスペーシアを購入されたお客様からは、内装が気に入ったというコメントをいただくことが多いです。
特に(上級仕様の)スペーシア カスタムは『顔がかっこいい』『内装が豪華』という声も多くいただきます」
■新型「ギア」の追加でスペーシア人気をさらに盤石にする!?
3代目スペーシアのパワートレインは、新しい自然吸気エンジンとCVTをマイルドハイブリッドと組み合わせることで、燃費や動力性能を改善しました。
標準タイプの「HYBRID G」(2WD)でカタログ燃費25.1km/h(WLTCモード)と低燃費なのも魅力のひとつといえるでしょう。
このほか、出力に余裕のあるターボエンジン仕様も用意されます。
衝突被害軽減ブレーキの進化など安全装備も充実しており、交差点での検知にも対応した最新の「デュアルセンサーブレーキサポートII」がスズキ車として初めて採用されました。
また運転席のダッシュボード上の「ヘッドアップディスプレイ」にはスピードやシフト位置、警告などの情報が表示され、運転中にメーターパネルに視線を動かす回数が少なくなり、安全運転に繋がります。
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このように全方位にわたって改良が図られたことで人気を集める3代目スペーシアですが、その人気をさらに高めることになりそうなニューモデルが、前述の新型スペーシア ギアです。
先代(2代目)のデビュー1年後に追加されたスペーシア ギアは、内外装にアクティブなイメージを加えたほか、アウトドアでの用途に対応したタフな内装としたSUVテイストのモデルですが、新型もこのテイストを継承しました。
外観は、スズキの本格四輪駆動車「ジムニー」を思わせる丸目ライトやタフな印象のグリル、そしてSUVらしいタフな加飾などが施され、専用ボディカラーの2トーン色とともにイメージを一新しています。
内装も、標準のスペーシアとは異なるアウトドアテイストのコーディネートが施されました。
新型スペーシア ギアの追加によって、10月以降の軽販売ランキングの推移がどう変化していくのか、ますます楽しみなところです。