いすゞは2024年10月24日、新型フルフラットEVバス「エルガEV」シリーズに郊外型モデルを追加して発売しました。
■着席定員を拡大して近郊中距離路線にも対応
いすゞは2024年10月24日、新型フルフラットEVバス「エルガEV」シリーズに、室内レイアウトを変更した「郊外型モデル」を追加して発売しました。
新型エルガEVは2024年5月に発売された大型EV路線バスです。通常のディーゼルエンジンを搭載する現行型「エルガ」をベースにEVユニットを搭載し、環境性能を高めるとともに、車内の通路の段差を一切廃したフルフラットノンステップ構造を採用。
フルフラット路線バスとしては国内初のBEV(バッテリーEV)だといい、エルガとしても2004年の改良でフルフラットタイプが消滅してから20年ぶりの復活となりました。
パワートレインは最高出力125kW(170馬力)・最大トルク480Nmを発揮するモーターを2基搭載し、245.3kWhの大容量バッテリーを組み合わせています。ディーゼルエンジンのエルガ同等の性能を確保し、一充電走行距離360km(国土交通省届出値)を実現。
モーターはリアアクスルの左右それぞれに組み込んだ「インアクスルモーター」としたほか、バッテリーを屋根上・後部床下に配置することで、フロアレイアウトの自由度が高まり、低床化を実現できたといいます。
充電はCHAdeMOに対応し、3.2時間で20%から80%まで充電が可能。災害時にはバッテリーから電源を取り出すことができるV2L(vehicle to load)にも対応しています。
先進機能では、運転手の状態を検知するドライバーステータスモニターや、運転手急病などでバスを非常停止させることが可能なEDSS(ドライバー異常時対応システム)、自動パーキングブレーキ、ブラインドスポットモニターを搭載。安全性能も高めました。
さらに、コネクテッドサービス「プレイズム」を採用したことで、バッテリー・充電状態や故障などを離れた事業所で確認することができ、運行に活かすことができるとしています。
これまでの「都市型」仕様に加え、今回ラインナップに追加されたのは中距離のバス路線に適した郊外型で、前扉〜中扉間の座席を増やし、着席定員を拡大。
「郊外I型」では、1人掛け×4列となっている右側シートを2人掛け×2列+1人掛け×2列とし、「郊外II型」では2人掛け×4列としています。
これにより、都市型1タイプ、郊外型2タイプの計3つのバリエーション展開となりました。なおホイールベースはL尺(4900mm)のみとなっています。
新型エルガEVの東京地区標準価格(消費税込)は、6578万1980円(ZAC-LV828L1・70人乗り都市型)です。