2022年5月にモデルチェンジしたホンダのミドルクラスミニバン「ステップワゴン」は、デビューから3年目を迎え、そろそろマイナーチェンジの時期ですが、果たしてどのような変更が行われるのでしょうか。
■めちゃ斬新! 近未来のホンダミニバンは「こうなる」!?
2022年5月に登場した6代目のホンダ「ステップワゴン」は、シンプルなエクステリアと、使い勝手を重視したインテリアを武器に支持を集めています。
しかしデビューから3年目を迎え、そろそろマイナーチェンジの実施時期となっています。激戦を繰り広げるライバルのミドルクラスミニバンに対し、どのような改良が図られるのでしょうか。
現行ステップワゴンの魅力は、クルマ全体でカタマリ感を持たせたシンプルなエクステリアと、どの席でも快適に過ごせるリビングのような居住性のインテリアです。
直線基調で高いベルトラインのボディシェイプや四角いヘッドライト、縦型のテールライトといった細部のデザインからは、このジャンルの火付け役となったステップワゴンの初代モデルや2代目モデルをモチーフにしていることが分かります。
シンプルなデザインの「ステップワゴン AIR(エアー)」に対して、より力強く品格ある佇まいを目指した「ステップワゴン SPADA(スパーダ)」は、フロントグリルやバンパーのデザインのほか、ボディ下端全周にダーククロムメッキモールを装着するなど、標準車よりもワイルド&クールなスタイルで好評となっています。
また、広くてすっきりとした印象のインテリアも好印象です。
特に、水平につくり込まれたダッシュボードと、クウォーターウインドウ、サイドウインドウのラインを揃えていることで、運転席からの視界が素晴らしく、ミニバンの運転が苦手な方でも扱いやすくなっています。
2列目ウインドウラインも低い位置にあることから、2列目、3列目シートどこからでも見晴らしよさが感じられます。
独自の強みや魅力も多く持つステップワゴンですが、同クラスのミニバンの販売状況はどうなっているのでしょうか。
2024年1月から8月までの登録台数は、日産「セレナ」が5万3879台で、トヨタ「ノア」が4万6539台、トヨタ「ヴォクシー」が4万6415台です。
これに対しステップワゴンは4万2109台と、商品力の高さとはうらはらにやや劣勢なのが現状です。
ホンダの場合、フルモデルチェンジしたばかりコンパクトミニバン「フリード」の販売が好調で、その影響もあるとみられますが、何かしらの対策が求められるところでしょう。
■「ステップワゴン AIR」の商品力アップが販売増につながる!?
そんなステップワゴンに、次のマイナーチェンジでぜひとも取り入れてほしいのが、エアーのメーカーオプションの増強です。
ステップワゴンには、エアー(316万円から)とスパーダ(346万円から)のほか、プレミアムライン(368万円から)という3つのバリエーションがあります。
現行型の発表時には、上下関係を持つグレードではなく、ユーザーのニーズに合わせたラインナップを用意したと説明していました。
しかし実際のところエアーは、価格を抑えたエントリーグレードという側面が垣間見え、スパーダやその上のプレミアムラインに設定されている便利装備がなぜか削られてしまっています。
たとえば、2列目オットマンや運転席&助手席のシートヒーター、パワーテールゲート(メモリ機能付)、減速セレクター(e:HEV)やパドルシフト(ガソリン車)、LEDアクティブライトなどは、エアーではメーカーオプションで選択することができません。
またプレミアムラインには標準装備のアダプティブドライビングビームや2列目シートヒーターも、エアーとスパーダでは選択できません。
どれも機能に優れた便利アイテムですので、メーカーオプション設定されれば、たとえば運転席&助手席シートヒーターだけはつけたいなど、エアーに必要なものだけ付けて買う、という選択もできます。
オプションの選択肢を絞り、パッケージ化するほうがシンプルで分かりやすい(トータルコストも抑えられる)というつくり手側の事情も分かります。
しかしユーザーとしては、余計なオプションまでつけることになります。
この点が改善されればステップワゴンの魅力を大きく伸ばすことができ、より売れるモデルになるのではないでしょうか。
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マイナーチェンジではフェイスリフトにも期待したいところです。
しかしライバル車がいわゆる「ギラギラフェイス」にこだわるなか、初代に原点回帰した新型ステップワゴンは、「シンプル顔の可能性」を見出したように思います。
フェイスデザインは変えつつも、ステップワゴンはマイナーチェンジでも、現在の方向性で勝負に出るのがよいのではないでしょうか。